矢作川(読み)やはぎがわ

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

矢作川
やはぎがわ

愛知県中央部を貫流する川。全長 117km。長野,岐阜県境,木曾山脈南端部に発し,愛知,岐阜県境を南西流し,美濃三河高原岡崎平野を貫流して三河湾に注ぐ。上流部は花崗岩地帯であるため,勘八峡から下流部では砂の堆積が著しく,天井川となる。おもな支流は上村川,名倉川,明智川,巴川など。江戸~明治初期,中流部の越戸付近までは舟運でにぎわい,また古くから農業用水に利用された。第2次世界大戦前後は,岡崎付近で水車を利用したガラ紡工業が発達した。上流部では矢作ダムなど電源開発が盛ん。現在の矢作川の下流は,水害を防ぐため慶長 10 (1605) 年に開削された人工水路で,かつての本流は矢作古川と呼ばれる。流域に豊田市,岡崎市などがある。

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百科事典マイペディアの解説

矢作川【やはぎがわ】

愛知県中部の川。長さ117km。流域面積1830km2木曾山脈南部に発し,三河高原を切って南西流し,豊田市から南に転じ,巴川,大平川を合わせ,広大な段丘面を形成,下流で旧本流の矢作古川を分けて知多湾に注ぐ。835年矢作川は官渡船が4艘に増加されている。渡場は宿泊施設があり,往来しげく,浄瑠璃(じょうるり)姫の物語の背景がしのばれる。江戸時代には年貢米などの川下げが盛んであった。明治用水に取水されるほか西三河地方の上水道・工業用水に利用。
→関連項目旭[町]稲武[町]岡崎平野上矢作[町]西尾[市]碧南[市]三河一向一揆美濃三河高原

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世界大百科事典 第2版の解説

やはぎがわ【矢作川】

木曾山脈南部の阿(あずま)岳南斜面を源とし,愛知県の中央部を南流して三河湾に注ぐ川。幹川流路延長117km,全流域面積1830km2。上流山間地はほとんどが花コウ岩類からなり,多量に土砂を流出し,県内第3位の広さをもつ西三河平野(岡崎平野)を形成している。巴川,乙(おと)川など主要な支流は三河高原から西流して矢作川左岸に合流している。現在の矢作川の下流部は1605年(慶長10)に開削された人工の水路で,旧本流(矢作古川)は西尾市小島付近で分流し,吉良町を通って三河湾に達する。

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大辞林 第三版の解説

やはぎがわ【矢作川】

愛知県中央部を南西に貫流し知多湾に注ぐ川。長さ117キロメートル。水源は木曽山脈南部。明治用水に利用される。

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日本の地名がわかる事典の解説

〔愛知県〕矢作川(やはぎがわ)


愛知県中部を流れる川。1級河川(矢作川水系)。河川法上は上流の根羽(ねば)川を含む。延長117km。流域面積1830km2。美濃三河(みのみかわ)高原の茶臼(ちゃうす)山(標高1415m)北麓(ほくろ)に源を発し、長野・岐阜・愛知3県境付近を西流、岡崎(おかざき)平野を南流して旧本流の矢作古(ふる)川を分流し碧南(へきなん)市で知多(ちた)湾に注ぐ。矢矧(やはぎ)川とも書く。中流に発電・灌漑(かんがい)など多目的の矢作第1ダム(矢作湖)・同第2ダムがある。豊田(とよた)市で明治用水を分水

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

矢作川
やはぎがわ

愛知県西三河地方を北から南に貫流する川。源流は長野・岐阜両県の山地、途中は花崗(かこう)岩類の三河山地、岡崎平野を経て三河湾(衣(ころも)ヶ浦(うら)湾)に注ぐ。延長117キロメートル、流域面積1830平方キロメートル。矢作古(ふる)川が旧本流であるが、1605年(慶長10)に人工開削によって現本流は衣ヶ浦湾に注ぐようになった。上流は山地、下流は岡崎平野、湾岸はノリ養殖の盛んな農漁村で、岡崎平野の豊田(とよた)、岡崎、刈谷(かりや)、安城(あんじょう)、西尾、碧南(へきなん)、知立(ちりゅう)、高浜の八都市は自動車産業を中心に工業の盛んな地域である。すなわち、上流は山村、下流は漁村、中間に工業都市という配置から厳しい水資源の問題を抱えている。明治期の矢作川は農業用水の給源で、「明治用水」「枝下(しだれ)用水」が開削され、碧海(へきかい)台地は二用水の通水によって約1万ヘクタールの水田と化した。[伊藤郷平]

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