馳走(読み)チソウ

デジタル大辞泉 「馳走」の意味・読み・例文・類語

ち‐そう【×馳走】

[名](スル)
1 《その準備のために走りまわる意から》食事を出すなどして客をもてなすこと。また、そのための料理。「友人宅で馳走にあずかる」→御馳走ごちそう
2 走り回ること。奔走。
「東西に―す」〈今昔・二・三七〉
[類語]もてなす・供応・ふるまう・饗する・相伴・遇する・接待・歓待・構い・お構い・愛想・接客・もてなし・椀飯おうばん振る舞い・造作

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精選版 日本国語大辞典 「馳走」の意味・読み・例文・類語

ち‐そう【馳走】

  1. 〘 名詞 〙
  2. ① かけ走ること。走りまわること。馬を駆って走らせること。奔走。
    1. [初出の実例]「一寝之間車馬馳走道路」(出典:中右記‐永長元年(1096)八月六日)
    2. [その他の文献]〔史記‐項羽紀〕
  3. ② ( 世話するためにかけまわる意から ) 世話をすること。面倒をみること。
    1. [初出の実例]「神宮之辺寄レ宿有レ恐、又無二先例一、只留二小屋一可レ待二天明一也、次畳三枚馬草菓子等少々所馳送也」(出典:中右記‐永久二年(1114)二月三日)
    2. 「いかめしく瓦庇の木薬屋〈越人〉 馳走する子の痩てかひなき〈芭蕉〉」(出典:俳諧・曠野(1689)員外)
  4. ③ ( 用意のためにかけまわる意から ) 心をこめたもてなし。特に、食事のもてなしをすること。饗応すること。あるじもうけ。また、そのためのおいしい食物。ごちそう。
    1. [初出の実例]「ナニトガナ chisô(チソウ)イタサウト ゾンゼラル〔物語〕」(出典:ロドリゲス日本大文典(1604‐08))
    2. 「柚子風呂の馳走にあずかった」(出典:記念碑(1955)〈堀田善衛〉)

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普及版 字通 「馳走」の読み・字形・画数・意味

【馳走】ちそう

車馬を走らせる。〔史記、呂后紀〕朱侯、信(符節)を奪はんと欲す。(えつしや)肯(がへ)んぜず。朱侯則ち從ひて與(とも)に載(の)り、信に因りて馳走し、長樂衞尉呂始を斬る。

字通「馳」の項目を見る。

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世界大百科事典(旧版)内の馳走の言及

【日本料理】より

…包丁式(式包丁とも)という,味にはなんの関係もないショーを料理秘伝の最奥義とし,それを演ずることが料理人にとって無上の名誉とされるようになったのもその結果である。馳走,つまり駆けずり回るということばが手厚いもてなしの意味に使われるようになったのも,このころからと思われる。小笠原流の伝書である《食物服用之巻》には,白鳥のような珍しいものを供された場合,はしをつける前に白鳥をほめるのが礼儀で,食べてからほめるのは味をほめるので,ほんとうにもてなしをほめたものではない,といったことが記されている。…

【もてなし】より

… 一般に,近代の公法が成立する以前には,宗教的・倫理的義務と考えられたこうしたもてなしの慣習が,地縁的あるいは血縁的共同体とその外部の社会との関係を支えていたといえる。宴会贈物【野村 雅一】
【日本】

[中世]
 〈もてなし〉の本来の語義は,相手をだいじに扱う,面倒をみる,たいせつに待遇すること,またそうした人に対するふるまい方を意味するが,転じて饗応,馳走(ちそう)を意味するようになる。饗応の意で広く使われるようになるのは,尾張国熱田社の神官が性蓮という僧を〈請じ寄せて,さまざまにもてなし,馬・鞍・用途など沙汰して,高野へ〉送った(《沙石集》)とか,若狭国太良荘(たらのしよう)の預所が六波羅の小奉行を招待して〈もてなし申〉(《東寺百合文書》),引出物に用途1結,厚紙10帖を贈ったなどの用例にみられるように,鎌倉中期以降のことであった。…

※「馳走」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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