デジタル大辞泉
「椀飯振舞」の意味・読み・例文・類語
おうばん‐ぶるまい〔ワウバンぶるまひ〕【×椀飯振(る)舞(い)】
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おうばん‐ぶるまいワウバンぶるまひ【椀飯振舞】
- 〘 名詞 〙
- ① =おうばん(椀飯)②《 季語・新年 》
- [初出の実例]「昔は〈略〉町人迄も正月は椀飯振廻(ワウバンブルマヒ)とて、親類縁者子供まで、洩さずよび集め、〈略〉酒もりして遊ぶ」(出典:随筆・八十翁疇昔話(1716頃か))
- ② 気前よく御馳走や祝儀などをすること。盛大なもてなし。→大盤振舞(おおばんぶるまい)。
椀飯振舞の語誌
「振舞」は人の「行ない、挙動」をさしたが、一三世紀半ばには「饗応すること、もてなすこと」の意にもひろがり、中世末には「椀飯」と「振舞」は、それぞれ行事と動作の意味から出発して、ともに宴会、祝宴を表わす語となった。江戸後半には「椀飯」に「大盤・大判」が当てられ、②の意を表わすようになった。
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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椀飯振舞
おうばんぶるまい
親類縁者などを集めて供応すること。大盤振舞などとあてることが多いが、用字上椀飯振舞が正しい。現存の民俗慣行としては、正月に行う例が多い。椀(埦・垸)飯は元公家(くげ)社会での饗宴(きょうえん)のことであり、中世武家社会では大名たちが輪番で将軍に祝膳(しゅくぜん)を奉ることをさしたが、近世農村社会において一族親戚(しんせき)が年頭に際して本家の当主のもとに集まり供応を受けるのをさすようになった。飛騨(ひだ)の白川郷では、毎年正月3日に各戸から名主の宅へ祝いの初穂と称する鏡餅(かがみもち)を持って年頭の挨拶(あいさつ)に出、名主はこれを受けて一同に餅、酒以下の馳走(ちそう)をふんだんにふるまう。一同和気あいあいとして楽しく会食し、これを名主のオウバン振舞とよんだという。
[萩原龍夫]
出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例
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