親類縁者などを集めて供応すること。大盤振舞などとあてることが多いが、用字上椀飯振舞が正しい。現存の民俗慣行としては、正月に行う例が多い。椀(埦・垸)飯は元公家(くげ)社会での饗宴(きょうえん)のことであり、中世武家社会では大名たちが輪番で将軍に祝膳(しゅくぜん)を奉ることをさしたが、近世農村社会において一族親戚(しんせき)が年頭に際して本家の当主のもとに集まり供応を受けるのをさすようになった。飛騨(ひだ)の白川郷では、毎年正月3日に各戸から名主の宅へ祝いの初穂と称する鏡餅(かがみもち)を持って年頭の挨拶(あいさつ)に出、名主はこれを受けて一同に餅、酒以下の馳走(ちそう)をふんだんにふるまう。一同和気あいあいとして楽しく会食し、これを名主のオウバン振舞とよんだという。
[萩原龍夫]
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