御構い(読み)オカマイ

デジタル大辞泉 「御構い」の意味・読み・例文・類語

お‐かまい〔‐かまひ〕【御構い】

(あとに打消しの語を伴う)「かまうこと」の尊敬語美化語
㋐心にかけ、もてなすこと。おもてなし。お世話。「なんのお構いもできませんで」「どうぞもうこれ以上はお構いなく」
㋑気にすること。頓着とんじゃく。「夜中でもお構いなく大声で歌っている」
江戸時代刑罰の一。特定地域への立ち入りを禁じるもの。追放。「江戸御構い
[類語]もてなす供応馳走ふるまう饗する相伴遇する接待歓待構い愛想接客もてなし椀飯おうばん振る舞い造作

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「御構い」の意味・読み・例文・類語

お‐かまい‥かまひ【御構・御搆】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「お」は接頭語 )
  2. もてなし。供応。
    1. [初出の実例]「どうぞお介意(カマヒ)なく」(出典当世書生気質(1885‐86)〈坪内逍遙〉一六)
  3. 心にかけること。とんぢゃく。顧慮。遠慮。かまい。おかまえ。
    1. [初出の実例]「商売の事をおかまひなく、御宿には尻がすはらず野郎狂ひに昼夜出ありき給へば」(出典:浮世草子・世間子息気質(1715)二)
  4. 手落ちつみ。とが。違法。かまい。
    1. [初出の実例]「外に子細も無之候ば、無御構段被仰渡然哉」(出典:随筆・宝暦現来集(1831)九)
  5. 江戸時代の刑罰の一つ。特定場所(御構之地、御構場)への立ち入りを禁ずる刑。追放。江戸御構、領分御構の類。
    1. [初出の実例]「あみ笠をきて出づる化物 稲荷より御構ひありし身也とて」(出典:俳諧・桃青門弟独吟廿歌仙(1680)仙松独吟)
  6. 江戸時代、特定の職業につくことを禁ずること。公刑として行なわれる場合と、私刑として行なわれる場合がある。一宗構、一派構、神職構、奉公構の類。かまい。
  7. 囲い。範囲。
    1. [初出の実例]「一江戸惣御搆之内、木草并俵物等馬につけ、中に乗申間敷事」(出典:御当家令条‐二三・土民仕置条々・寛永二〇年(1643)三月)

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