埼玉県南東部にあった市(鳩ヶ谷市)。現在は川口市の中央南部を占める。旧鳩ヶ谷市は1967年(昭和42)市制施行。2011年(平成23)川口市に編入。大宮台地南東端に位置し、南端は東京都足立(あだち)区と接する。江戸時代日光御成(おなり)街道の宿駅であったが、江戸に近すぎるため旅人宿はなかった。3、8の日には市(いち)が立ち、また芝川では舟運が行われ、河岸(かし)があった。国道122号、埼玉高速鉄道線が通じ、東京地下鉄南北線と直通運転により都心に直結している。市街地化が進んでおり、農業的にはほとんどみるべきものはないが、近くの安行(あんぎょう)の影響を受け、植木・苗木・花卉(かき)栽培が盛んである。江戸末期の不二道孝心講(ふじどうこうしんこう)の創始者小谷三志(こたにさんし)の出生地で、旧居と資料は県指定有形文化財になっている。旧鳩ヶ谷市の人口は6万0908(2010年国勢調査)。
[中山正民]
『『鳩ヶ谷市史』全12巻(1981~1992・鳩ヶ谷市)』
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