黄金虫(読み)コガネムシ

デジタル大辞泉 「黄金虫」の意味・読み・例文・類語

こがね‐むし【黄金虫/金子】

甲虫目コガネムシ科の昆虫体長約2センチ。体は広卵形で、背面は強い光沢のある濃緑色または紫紅色。夏に出現し、広葉樹の葉を食する。 夏》「落ちしままはねはみ出せる―/正雄」
甲虫目コガネムシ科の昆虫の総称。体は頑丈で背面は丸く高まり、金属光沢をもつものが多い。幼虫土中にすみ、地虫じむしとよばれる。植物の葉を食うコガネムシ・カブトムシドウガネブイブイなどと、動物のふんを食うダイコクコガネタマオシコガネなどとに大別される。
[補説]書名別項。→黄金虫こがね虫

こがねむし【黄金虫】[書名]

原題The Gold Bugポー短編小説。1843年発表。キャプテン=キッド財宝を巡る冒険小説。フィラデルフィア‐ダラー‐ニュースペーパー懸賞で最優秀作品となり、舞台化もされた。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「黄金虫」の意味・わかりやすい解説

黄金虫
こがねむし
The Gold-Bug

アメリカの作家E・A・ポーの短編小説。1843年6月、『ドラー・ニュースペーパー』紙に懸賞入選作として発表され、好評を博した。アメリカ、サウス・カロライナ州沖のサリバン島の住人ウィリアム・ルグランは、ある日、浜辺で珍しい黄金虫(スカラビウス)をみつけ、そこに落ちていた紙きれに包んで家に持ち帰る。ところが、その紙きれは海賊キッドが宝の隠し場所を記した羊皮紙であることが判明する。ルグランは苦心のすえに暗号を解読し、巨万の財宝を手中にする。海賊キッドにまつわる民間伝承ロマン怪奇小説じみた宝探しのスリル、暗号解読の知的興味を組み合わせた娯楽小説の傑作で、暗号を利用した推理小説の草分けでもある。

[八木敏雄]

『八木敏雄訳『黄金虫・黒猫・アッシャー家の崩壊ほか五編』(講談社文庫)』

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デジタル大辞泉プラス 「黄金虫」の解説

黄金虫〔小説〕

米国の作家エドガー・アラン・ポーの短編小説(1843)。原題《The Gold Bug》。

黄金虫〔曲名〕

日本の唱歌の題名。作詞:野口雨情、作曲:中山晋平。発表年は1922年。

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動植物名よみかた辞典 普及版 「黄金虫」の解説

黄金虫 (コガネムシ)

学名:Mimela splendens
動物。コガネムシ科の昆虫

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