ロマン(英語表記)Romains, Jules

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

ロマン
Romains, Jules

[生]1885.8.26. オートロアール,サンジュリアンシャプトイユ
[没]1972.8.14. パリ
フランスの小説家,詩人,劇作家。本名 Louis Farigoule。エコール・ノルマル・シュペリュール (高等師範学校) に学び,しばらく教壇に立つ。宇宙的一体感,個人をこえた集団の意識を認めるユナニミスムを唱え,アベイ派に参加した。詩集『一体的生活』 La Vie unanime (1908) ,『オードと祈り』 Odes et prières (13) ,風刺劇の傑作『クノック,あるいは医学の勝利』 Knock,ou le triomphe de la médecine (23) などのほか,最も重要な作品として大河小説『善意の人々』 Les Hommes de bonne volonté (27巻,32~47) がある。この大作は,第1次世界大戦の足音がバルカン半島に響きはじめる 1908年から,再び次の世界大戦を予想させる,ヒトラーによる政権獲得の年,33年までのヨーロッパ史を描いたものである。アカデミー・フランセーズ会員 (46) 。

ロマン
Roman

ルーマニア北東部,モルドバ地方,ニヤムツ県の工業都市。 14世紀に建設され,中世のモルドバの政治,商業の中心地の一つであった。第2次世界大戦後,急速に工業が発展し,機械,農機具,コンクリート,煉瓦,家具,食品の工場がある。人口8万 192 (1992推計) 。

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百科事典マイペディアの解説

ロマン

フランスの作家。高等師範学校時代から詩作を始め,詩集《一体生活》(1908年)によりユナニミスムを提唱する。この思想は小説《ある男の死》,三部作《プシシェ》,1908年―1933年のフランス社会を描いた27巻の大河小説《善意の人々》(1932年―1947年)にも貫かれる。一方陽気な風刺家として戯曲《医師クノック》(1923年),《ドノゴー》などを書き成功した。反戦の詩《ヨーロッパ》(1916年)以後,平和問題にも詩,評論など多くの発言がある。
→関連項目ガリマール[会社]コポージューブジュベデュアメル

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世界大百科事典 第2版の解説

ロマン【Jules Romains】

1885‐1972
フランスの小説家,劇作家,詩人。本名Louis Farigoule。偶然の詩的体験が,文学者としての針路を決定することとなった。パリの街を散策中に,自分の心身がひとつのリズムを伴って街の大きな全体のなかに溶け込むかのような感じを味わったのである。この体験こそが,デュアメルらの〈僧院(アベイ)〉派の友人たちの手で印刷されて日の目をみた詩集《一体生活》(1908)の底流をなすものである。以後彼は,個人よりも集団を,個人と個人のふかしぎな結合から生まれる集団の精神,〈新しい神々〉を,好んで描くようになる。

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大辞林 第三版の解説

ロマン【roman】

〔ローマンとも〕
ロマンスに同じ。 「大-を創作する」
小説のように変化に富み、かつ甘美な筋をもった出来事。恋愛事件などにいうことが多い。ロマンス。 「世紀の大-」
小説のように変化に富んだ大冒険や一大事業。 「男の-」 「 -をかきたてる」 〔「浪漫」 「浪曼」などと書いた〕

ロマン【Jules Romains】

1885~1972) 〔本名 Louis Farigoule〕 フランスの小説家・詩人・劇作家。ユナニミスム(一体主義)の提唱者として個々の魂の一体化を作品に具現。小説「プシケ」「善意の人々」、戯曲「クノック」など。

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精選版 日本国語大辞典の解説

ロマン

〘名〙 (roman)⸨ローマン・ロマーン⸩
① =ロマンス
※柵草紙の山房論文(1891‐92)〈森鴎外〉エミル・ゾラが没理想「小説に『ロマン』の名をあたふるはゾラが好むところにあらず」
② 小説。特に、長編小説
※風土(1935)〈和辻哲郎〉四「長いロマーンや二十フィート幅の絵画において」
③ 主情的ないし理想的に物事をとらえること。また、そのようにして把握された世界。
※文学論(1907)〈夏目漱石〉四「表現の写実にして取材浪漫なるものあり。取材の写実にして表現の浪漫なるものあり」
[補注](1)→「ロマンス」の語誌
(2)漢字「浪漫」「浪曼」をあて、そのまま字音読みで「ろうまん」と言うこともある。

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世界大百科事典内のロマンの言及

【小説】より

…この標準的な小説概念によると,小説とは散文による相当な長さの虚構物語(フィクション)で一定のまとまりと構造をもち,現実生活に即した人物と事件を扱うものをいう。この考え方だと短編小説,観念小説,怪奇小説,ファンタジーSFヌーボー・ロマンやポストモダニズムなどと呼ばれる最近の前衛的小説などが入らなくなるが,これらの小説も標準的小説の多くの特徴を取りいれており,また伝統的小説に反逆して書かれた前衛的小説にしても,この標準的小説概念を前提として含んでいるといえる。 この標準的な小説に対立するものとして,一方にロマンス,他方にアレゴリーないし寓意物語がある。…

※「ロマン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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