鼯鼠(読み)ムササビ

デジタル大辞泉 「鼯鼠」の意味・読み・例文・類語

むささび【鼯鼠/鼺鼠】

《古くは「むざさび」とも》リス科の哺乳類リスに似て、体長約40センチ、尾長約35センチ。背面灰褐色で、目の上からほおにかけ白帯がある。森林にすみ、夜行性前後の足の間にある飛膜を広げて木から木へ滑空し、木の芽・実・葉を食べる。本州以南から朝鮮半島中国分布。のぶすま。おかずき。 冬》「―や夜霧吹き入る手打蕎麦秋桜子

ももんが【鼯鼠】

リス科の哺乳類。体長15~20センチ、尾長10~14センチ。前・後肢の間に飛膜をもち、目が大きく、外形習性ともムササビに似る。本州・四国九州に分布。北海道には近似種のエゾモモンガがすむ。ばんどり。ももんがあ。

もみ【鼯鼠】

ムササビ古名。〈和名抄

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精選版 日本国語大辞典 「鼯鼠」の意味・読み・例文・類語

ももんが【鼯鼠】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「ももんぐゎ」とも表記 )
  2. リス科モモンガ属の哺乳類。体長一五~二〇センチメートル。ムササビに似て体側に飛膜をもつが、小形で、尾は上下に扁平で長い。体毛は柔らかく、背面は灰色または褐色で腹面は白い。夜行性で、木から木へ飛んで昆虫や木の実を食べる。滑空距離はふつう八メートルぐらいであるが三〇メートル以上飛ぶ場合もあるという。シベリアから日本にかけての山地の森林に分布。日本には本州以南にニホンモモンガ、北海道にエゾモモンガの二種が生息する。「むささび」と混同していわれる場合がある。もみ。ももんがあ。ももが。《 季語・冬 》 〔随筆・本朝世事談綺(1733)〕
  3. ももんがあ
    1. [初出の実例]「妾に逢ふ夜妻をももんぐ」(出典:俳諧・双子山前集(1697))

鼯鼠の語誌

( 1 )古くはムササビと区別されていなかった。「十巻本和名抄‐七」などにより、中古にはモミともいったことが知られるが、中世の資料にはムササビのみでモミやモモンガは見えない。
( 2 )近世の資料には「ももんが(あ)」の「が」が多く「グヮ」「グ」と表記されているが、当時、グヮという合拗音は漢語や擬声語にしか用いなくなっていたところから、グヮは、鼯鼠の濁った大きな声を写したものか。


むささび【鼯鼠】

  1. 〘 名詞 〙 ( 古くは「むざさび」とも ) リス科の哺乳類。外形はリスに似て、体長三〇~五〇センチメートル。手足間の体側に皮膜がよく発達し、これを広げて枝から枝へ飛び、一〇〇メートル以上も滑空できる。尾は円筒状で、太くて長い。背面は灰褐色、赤褐色などで下面は白く、ほおに白斑がある。昼は樹木の空洞などで眠り、夜活動して果実や木の実、葉などを食べる。日本では本州以南の各地の森林に分布。類似種にモモンガがある。ばんどり。かおじろむささび。ほおじろむささび。のぶすま。もみ。ももんが。おかずき。《 季語・冬 》
    1. [初出の実例]「ますらをの高円山に迫めたれば里に下り来る牟射佐毗(ムザサビ)そこれ」(出典:万葉集(8C後)六・一〇二八)

ももが【鼯鼠】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「ももぐゎ」とも表記 ) =ももんが(鼯鼠)〔大和本草(1709)〕

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動植物名よみかた辞典 普及版 「鼯鼠」の解説

鼯鼠 (ムササビ)

学名:Petaurista leucogenys
動物。リス科の哺乳動物

鼯鼠 (モモンガ)

動物。齧歯目の獣,ムササビに似る

出典 日外アソシエーツ「動植物名よみかた辞典 普及版」動植物名よみかた辞典 普及版について 情報

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