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鼻茸(鼻ポリープ) はなたけはなぽりーぷNasal Polyps

家庭医学館の解説

はなたけはなぽりーぷ【鼻茸(鼻ポリープ) Nasal Polyps】

[どんな病気か]
 表面が平滑(へいかつ)で、ゼラチン様、グレープ様の半透明(はんとうめい)のやわらかいクラゲのような腫瘤(しゅりゅう)が鼻腔(びくう)内に発生する病気です。
 ふつう両側に発生し、頻度は成人の約1%、20歳以後から60歳ごろまで、ほぼ等しい発生率でおこります。
 小児ぜんそくとの関連は認められませんが、鼻茸の約3分の1は成人型ぜんそく(「ぜんそく(気管支ぜんそく)」)と関連して発生するといわれています。
 鼻茸の人の約90%に慢性副鼻腔炎(まんせいふくびくうえん)がみられます。この副鼻腔炎は、ぜんそくの慢性化の引き金になります。
[原因]
 慢性鼻炎(まんせいびえん)や慢性副鼻腔炎の分泌物(ぶんぴつぶつ)の刺激によって、粘膜(ねんまく)がむくんで腫(は)れて生じるという炎症性産物説(えんしょうせいさんぶつせつ)と、鼻茸の組織中に、アレルギーでみられるIgE抗体(こうたい)や好酸球(こうさんきゅう)が存在することから、局所のアレルギー反応で生じるというアレルギー説がありますが、確かな原因はまだ不明です。
[症状]
 鼻茸が小さいうちは、鼻汁(びじゅう)が出る程度ですが、大きくなって鼻腔を塞(ふさ)ぐようになると、頭痛、鼻内圧迫感(びないあっぱくかん)、嗅覚障害(きゅうかくしょうがい)、記憶力減退、耳管狭窄(じかんきょうさく)などの不快な症状がおこってきます。
[検査と診断]
 鼻鏡(びきょう)で鼻腔を見れば容易に診断できますが、しばしば周囲粘膜と区別できなかったり、慢性鼻炎や慢性副鼻腔炎を合併していたり、鼻中隔弯曲症(びちゅうかくわんきょくしょう)があって、その奥の鼻茸を見逃したりすることがあるので、耳鼻咽喉科(じびいんこうか)専用の軟性ファイバースコープ、顔面X線検査、CTなどを行なって調べます。
[治療]
 鼻茸の約半数は、副腎皮質(ふくじんひしつ)ホルモン薬を噴霧する治療で小さくなります。
 副腎皮質ホルモン薬の局所治療を1か月続けても小さくなるようすがみられなければ、手術が必要となります。
 局所麻酔(きょくしょますい)をして、鼻茸の茎部(けいぶ)を含めて摘出しますが、副鼻腔炎が合併している場合には、顕微鏡や内視鏡を用いた副鼻腔手術を同時に行ないます。
●注意
 鼻茸は、ふつう、両側の鼻腔に複数、発生します。もし、片側の場合は、まれに悪性腫瘍(あくせいしゅよう)のことがあるので、耳鼻科専門医の診察が必要です。
 鼻茸は、ときにアスピリンぜんそくにともなって発症することがあります。かぜ薬を服用した後にぜんそく発作(ほっさ)をおこしたことのある人は要注意です。
 鼻(はな)アレルギーの存在と手術後の鼻茸の再発とは関係ありませんが、アスピリンぜんそくや成人型ぜんそくにともなう鼻茸は手術後、再発しやすいといわれています。
[予防]
 鼻茸自体に対する特別な予防法はありませんが、耳や下気道(かきどう)への影響を避けるために、鼻腔の通気性(つうきせい)を確保し、呼吸を整える治療が必要です。ぜんそくを合併する鼻茸は、放置するとぜんそくを悪化させるといわれ、手術をするとぜんそくは改善します。しかし手術後、しばしば鼻茸が再発することがあります。長期にわたる術後治療と経過観察が、再発予防に効果があります。

出典|小学館家庭医学館について | 情報

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