水道(読み)スイドウ

デジタル大辞泉 「水道」の意味・読み・例文・類語

すい‐どう〔‐ダウ〕【水道】

川や湖の水を引いて、飲料水・使用水・消火用水とするための施設水源導水浄水などの設備上水道
上水道または下水道。ふつう上水道をいう。
船が通るみち。船の航路。ふなじ。
陸地両側から挟まれて狭くなっている海または湖の部分。海峡。「豊後ぶんご水道
[類語]海峡瀬戸

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精選版 日本国語大辞典 「水道」の意味・読み・例文・類語

すい‐どう‥ダウ【水道】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 水が流れる道筋。また、通る道。水路。航路。ふなじ。
    1. [初出の実例]「賀州安国寺、依濃美阿与白山河流合、寺将崩、仍被御奉書、以水道元可修之由」(出典蔭凉軒日録‐寛正三年(1462)六月八日)
    2. 「こは〈略〉遠き大川より引きし水道(スヰダウ)の類ゆへ」(出典:わかれ(1898)〈国木田独歩〉)
    3. [その他の文献]〔史記‐西南夷伝〕
  3. 上水、または、下水を導き引く道。上水道・下水道の総称。特に、江戸では、幕府によって設けられた玉川上水神田上水をさしていう。
    1. [初出の実例]「一流のむさしの広く覚たり〈雪柴〉 千家万家に分る水道〈松意〉」(出典:俳諧・談林十百韻(1675)下)
  4. 特に近代、鉄管などの導管およびその他の工作物によって、良質の飲料水を住民各戸へ供給する施設の称。明治二〇年(一八八七)はじめて横浜に布設された。〔水道条例(明治二三年)(1890)〕
  5. 海または湖の陸地にはさまれて狭くなった所。海峡。「紀伊水道
    1. [初出の実例]「狭い水道をへだててすぐ向うにシムシュ島が見える」(出典:遙かな国遠い国(1960)〈北杜夫〉四)
  6. 鷹の首から胸のあたりまでをいう。
    1. [初出の実例]「水道は觜揺より下胸の門也胸袋迠惣名也」(出典:武用弁略(安政再板)(1856)八)

すい‐ど【水道】

  1. 〘 名詞 〙 「すいどう(水道)」の変化した語。

みず‐みちみづ‥【水道】

  1. 〘 名詞 〙 水が通う道すじ。水脈。すいどう。

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改訂新版 世界大百科事典 「水道」の意味・わかりやすい解説

水道 (すいどう)

人々の生活に必要な水を管や水路を用いて供給したり,生活環境で不要な水を排除するシステムの総称。古代ローマ帝国の遺跡にあるように,都市の歴史とともに都市生活を支える基盤施設として整備が進められてきた。現在では水道というと一般に上水道を指す場合が多い。水道には一般的な上水道,下水道のほかにも,地域と時代により種々の形態のものがあり,消火用水道,雑用水道工業用水道,営農水道などが存在する。将来,水資源が量的質的に逼迫(ひつぱく)する地域では,用途・水質別に複数の形態の用水供給システム,排水排除システム,再利用システムなどを包摂したさまざまなシステムがくふうされて用いられると予想される。
下水道 →工業用水 →雑用水道 →上水道
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「水道」の意味・わかりやすい解説

水道
すいどう
waterworks
water supply

人々に水を供給するための施設の総称。飲んで安全な水を、用途を限定せずに1系統で配るのが一般の水道(上水道)である。水不足地域では、水質用途別に上質水道、雑用水道、工業用水道など複系統の水道も設けられる。明治期には、浄化して管で配る水道を、古代ローマ時代や江戸時代の(旧)水道と区別して上水道または近代水道と称した。広義には上水道と下水道とを総称して水道という。

[小林三樹]

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普及版 字通 「水道」の読み・字形・画数・意味

【水道】すいどう

航路。

字通「水」の項目を見る

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栄養・生化学辞典 「水道」の解説

水道

 上水と下水があるが,通常単に水道というと上水.飲用に適する水を管を通じて供給する施設.

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世界大百科事典(旧版)内の水道の言及

【海峡】より

…二つの陸地にはさまれた狭い水域。瀬戸または水道ともいう。陸地が断層運動や曲降運動などにより海中に沈んでつくられた海峡は深く(ジブラルタル海峡,紀伊,豊後両水道など),広い陸地が海中に沈んで低地や谷に海水が浸入してつくられた海峡は浅い(ダーダネルス海峡,関門海峡など)。…

【上水道】より

…都市や集落へ飲料水を供給する施設の総体をいう。日本では江戸時代初期に生活用水の供給を主目的とする水利施設が初めて設けられたときに,それまでの農業用水施設と区別して上水,または水道ということばが用いられた。現在では都市への用水供給施設のうち,飲用(家庭用)を目的に含めていない水道(工業用水道など)に対して,飲用水の供給施設を一般に上水道と呼んでいる。…

※「水道」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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