副腎皮質刺激ホルモンadrenocorticotropic hormoneの略。アクスともよみ,コルチコトロピンcorticotropinともいう。脳下垂体前葉から分泌されるペプチドホルモンの一つ。副腎皮質に働いて副腎皮質ホルモンの生合成と分泌を促す作用をもつ。39個のアミノ酸からなり,分子量約4500。副腎皮質ホルモンは生命維持に不可欠なホルモンであるが,ACTHはその分泌を調節している。精神的あるいは肉体的ストレスに出会った場合,視床下部あるいはさらに上位の中枢から刺激を受けてACTHの分泌が増加し,その結果,副腎皮質ホルモンの分泌が促され,生体は新たな環境に適応しようとする。つまり,ACTHは,ストレスから生体を守る働きをするホルモンである。最近,ACTHの生合成に関する研究がすすみ,ACTHはリポトロピンなどとともに,さらに分子量の大きな共通の前駆体からつくられることが明らかとなり,その前駆体の全アミノ酸配列が決定されている。
→脳下垂体
執筆者:石橋 みゆき
薬としてのACTHは,草食獣の脳下垂体前葉から抽出したアミノ酸数39のペプチド,あるいはアミノ酸数24または18の合成ペプチドが用いられている。24個のものは,そのアミノ酸配列は天然のものの1番から24番とまったく同じ,18個のものは1番だけが異なっている。いずれも注射剤として用いられるが,そのままでは作用が一時的なので,注射部位からの吸収を遅らせるような物質を加えたり,水酸化亜鉛にホルモンを吸着させ懸濁液として,効力に持続性をもたせたものがよく用いられる。副腎皮質ホルモンの分泌を亢進させるので,副腎皮質機能が著しく衰えている場合には有効でない。本剤の適用症はだいたい副腎皮質ホルモンのそれと一致する。副腎皮質機能の診断にも用いるが,この場合は一過性効力の製剤のほうがよい。本剤の大量連用は副腎皮質機能亢進,急激な投与中止は機能低下症をおこすので,厳重な注意を必要とする。
執筆者:川田 純
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出典 内科学 第10版内科学 第10版について 情報
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