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ATG エーティージー ATG

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デジタル大辞泉の解説

エー‐ティー‐ジー【ATG】[Art Theater Guild]

Art Theater Guild》日本アートシアターギルド。映画の製作・配給会社。昭和37年(1962)発足、平成4年(1992)活動停止。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

ATG
えーてぃーじー

映画の製作・配給会社。正称は株式会社日本アート・シアター・ギルド、通称ATG。1950年代の欧米のアート・シアター運動の影響を受け、東和映画の川喜多(かわきた)かしこらが結成した「日本アート・シアター運動の会」を前身に、東宝の森岩雄(もりいわお)の支援のもと、1961年(昭和36)、芸術映画の専門映画館で商業ベースにのらない芸術的な外国映画の上映を目的とする映画配給会社として設立された。ATG加盟館は東京の新宿文化や日劇文化、大阪の北野シネマなど全国10館で、1962年にポーランド映画を第1回上映し、作品選定委員会によって選ばれたおもに外国映画、フランスのヌーベル・バーグ、ベルイマン、フェリーニ、サタジット・レイ(ライ)などを配給・上映した。1967年から独立プロと提携する「1000万円映画」によって日本映画の製作を始め、松竹出身の大島渚(おおしまなぎさ)による『新宿泥棒日記』(1969)や篠田正浩(しのだまさひろ)の『心中天網島(しんじゅうてんのあみじま)』(1969)や吉田喜重(よしだよししげ)の『煉獄(れんごく)エロイカ』(1970)、記録映画出身の羽仁進(はにすすむ)による『初恋・地獄篇(へん)』(1968)や松本俊夫(まつもととしお)(1932― )の『薔薇(ばら)の葬列』(1969)や黒木和雄(くろきかずお)の『竜馬暗殺』(1974)、長谷川和彦(はせがわかずひこ)(1946― )の『青春の殺人者』(1976)といった前衛的な芸術作品、野心的な青春映画を世に送った。ATG映画は難解さを指摘されたが、学生運動期の若者から支持され、1960年代と1970年代のカウンターカルチャーを形成して一時代を築いた。また、作家の三島由紀夫(みしまゆきお)、演劇の寺山修司(てらやましゅうじ)、テレビの実相寺昭雄(じっそうじあきお)(1937―2006)など異分野にも映画発表の場を提供し、シナリオや評論が掲載された機関誌「アートシアター」を発行し、斬新なポスターデザインを採用するなど新しい映画鑑賞の環境をつくった。1970年代後半からは娯楽性を加えた青春映画路線となり、大森一樹(おおもりかずき)(1952― )の『ヒポクラテスたち』(1980)、根岸吉太郎(ねぎしきちたろう)(1950― )の『遠雷』(1981)、大林宣彦(おおばやしのぶひこ)(1938― )の『転校生』(1981)、森田芳光(もりたよしみつ)(1950―2011)の『家族ゲーム』(1983)など自主映画、ロマン・ポルノ、ピンク映画の若手を起用し、1980年代には伊丹十三(いたみじゅうぞう)や相米慎二(そうまいしんじ)、撮影所を離れた鈴木清順(すずきせいじゅん)の作品も配給した。作品が毎年の映画ベストテンの上位に選出され、ミニシアター上映の先駆けでもあったATGは、作家性や政治性の強い企画を通し、低予算を逆手にとった先鋭的な芸術作品によってユース・カルチャーに大きな足跡を残すが、経営悪化のため1992年(平成4)の新藤兼人(しんどうかねと)監督による『東綺譚(ぼくとうきだん)』の配給を最後に活動停止した。[佐藤千紘]
『佐藤忠男編『ATG映画を読む 60年代に始まった名作のアーカイヴ』(1991・フィルムアート社) ▽多賀祥介著『ATG編集後記 回想の映画人たち』(1995・平凡社) ▽牛田あや美著『ATG映画+新宿』(2007・D文学研究会、星雲社発売) ▽葛井欣士郎・平沢剛著『遺言 アートシアター新宿文化』(2008・河出書房新社)』

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世界大百科事典内のATGの言及

【アート・シアター】より

…これが今日に至るアート・シアター運動の基本的な原理になっている。 日本でも〈市場に恵まれない芸術作品の上映を推し進める〉との趣旨で,川喜多かしこ,ジャーナリスト草壁久四郎,映画監督羽仁進,勅使河原宏らが中心になり,当時東宝の副社長だった森岩雄(かつて,フランスのアバンギャルド映画群を日本に紹介するための〈良い映画を讃める会〉の運動を推進した中心的人物の一人)に働きかけて,〈日本アート・シアター・ギルド(ATG)〉が62年に発足。数年後に,パリに本部のあるCICAEに加盟した。…

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