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GVHD ジーブイエイチディー

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

GVHD
ジーブイエイチディー

移植片対宿主病ともいう。輸血された血液中にあるリンパ球が,輸血を受けた人の組織を敵と認識し攻撃する病気。移植された臓器を患者のリンパ球が攻撃する拒絶反応と逆の現象で,発熱や発疹などの症状があり,死亡率は高い。骨髄移植にとっては最大の難関となっていたが,一般の手術で輸血を受けた人にもかなり起きており,1986年から5年間に約 170人が死亡したことが判明した。これを防ぐためには,リンパ球をフィルタで取除くか放射線で弱めることが必要である。日赤は 93年,通常の輸血用血液にも放射線照射を始めることを決めた。

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デジタル大辞泉の解説

ジー‐ブイ‐エッチ‐ディー【GVHD】[graft-versus-host disease]

graft-versus-host disease》輸血された血液中のリンパ球が患者のリンパ球など細胞組織を破壊するため、免疫がなくなって感染症を併発したり、臓器障害を引き起こしたりする病気。GVH病。移植片対宿主(しゅくしゅ)病。

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百科事典マイペディアの解説

GVHD【ジーブイエッチディー】

移植片対宿主反応病

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知恵蔵miniの解説

GVHD

移植片対宿主病(いしょくへんたいしゅくしゅびょう/Graft versus host disease)の略称。組織適合性のない2者間で骨髄移植や輸血が行われたり、患者が免疫不全状態にあったりする場合などに見られる合併症の一つ。ドナーのリンパ球(白血球の一種)が患者の組織・臓器を異物と見なして攻撃することにより生じる病態を指す。移植後に起こるGVHDのうち、早期に発症するものは急性、100日以降に発症するものは慢性に分類される。急性では皮疹、下痢、肝障害などの症状が起こり、重症の場合は死に至ることもある。慢性の場合は皮膚の硬化や目の乾燥、口内炎、肝障害など様々な病変が現れ、長期化するケースが多い。いずれも治療にはステロイドホルモン剤などの免疫抑制剤を用いる。輸血後に起こるGVHDは早期に発症し、発熱、皮膚の紅斑、下痢、肝障害、骨髄低形成による汎血球減少などの症状を呈する。現時点では有効な治療法はなく、致死率は極めて高い。

(2015-1-22)

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

GVHD
じーぶいえいちでぃー
graft versus host disease

輸血や骨髄移植などの副作用として知られる移植片対宿主病の略称。生きているリンパ球を含んだ輸血や骨髄移植などでおこる。
 輸血または移植されたリンパ球(移植片)が患者(宿主)の体内で生着・増殖し、そのリンパ球が患者の細胞を「異物」として認識し攻撃する病気で、発熱、発疹(ほっしん)、肝障害等の症状を呈する。ときに多臓器不全等を生じ致命的なこともある。
 輸血によるものは血縁者からの輸血で発生しやすい。有効な治療法はなく予防が重要である。日本では、輸血用血液への放射線照射による予防法の普及により、輸血によるGVHDの発生件数は減少し、2000年(平成12)から2008年までにGVHDの疑いとして日本赤十字社(日赤)に報告された症例のうち、確認された症例はない。骨髄移植では、患者と提供者のヒト白血球抗原(HLA)の型が異なるほど移植された骨髄が拒絶されやすくGVHDもおきやすいので、HLAの一致した移植が望まれる。移植後のGVHDの予防、治療には、免疫抑制剤等が用いられ効果をあげている。[日本赤十字社企画広報室]
『十字猛夫・伊藤和彦編著『輸血後GVHD』(1994・金芳堂) ▽森島泰雄編『GVHD予防・治療マニュアル』(2005・南江堂)』

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