国家非常事態(読み)コッカヒジョウジタイ(その他表記)emergency

翻訳|emergency

デジタル大辞泉 「国家非常事態」の意味・読み・例文・類語

こっか‐ひじょうじたい〔コクカヒジヤウジタイ〕【国家非常事態】

戦争内乱・特別な災害などで、国家存立にかかわるほどに社会の公安・秩序が乱れたり、またはそのおそれがある状態。旧警察法上の用語で、現行警察法では緊急事態改称された。

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精選版 日本国語大辞典 「国家非常事態」の意味・読み・例文・類語

こっか‐ひじょうじたいコクカヒジャウジタイ【国家非常事態】

  1. 〘 名詞 〙 大規模な災害や騒乱によって社会の治安が乱れ、国家の存立が危うくなるおそれのある状態。政府責任者がその旨を布告したとき、その布告を非常事態宣言という。日本では、昭和二九年(一九五四)の警察法改正以後、緊急事態と改称。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「国家非常事態」の意味・わかりやすい解説

国家非常事態
こっかひじょうじたい
emergency

立憲主義国家において,戦争,内乱,経済恐慌,大規模な自然災害などが発生し,国家の存立が危機にさらされた場合,危機を克服するため一時的に,行政権に権力が集中し,基本的人権が制限される状態。このような場合,通常の立憲主義的な方法によっては対処できず,国家緊急権 Staatsnotrechtが発動される。国家緊急権のなかには,あらかじめ緊急事態を予想して憲法上制度化されたものと,極度の緊急事態において,憲法の一切の枠や授権をこえて行使されるものとがある。前者に属する典型的な制度としては,緊急命令のほか,合囲状態,戒厳授権法制定などがあり,マーシャル・ローもこれに含めてよい。後者については,これを一切認めない立場と,「必要の前に法律なし」としてこれを肯定する説とが対立している。日本では,参議院緊急集会は別として,憲法上非常事態に関する規定はなく,自衛隊法,警察法,災害対策基本法にこれに準じる規定がみられる。

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