米菓、煎餅(せんべい)の一種。霰餅(あられもち)のこと。かき餅に類する菓子だが、あられの場合は本来、餅を賽(さい)の目のような小方形に刻み、炒(い)りつけて食べたので、かき餅より形状の小さなものといえる。関西ではあられも含めてかき餅だが、女房詞(ことば)でやさしく「おかき」ともいう。おかきの語は、現在では東京でも一般化して用いられるようになった。慶長(けいちょう)年間(1596~1615)奈良で創製された霰酒(あられざけ)には、のし餅を細かく刻んで焼酎(しょうちゅう)に漬けては乾燥させてつくった餅あられが使われたといわれる。しかし、それまであられの手法がなかったわけではなく、文明(ぶんめい)年間(1469~1487)の連歌の句に「老松の葉には咲かむや霰餅」の句もある。
今日的な製法は、糯米(もちごめ)を蒸して搗(つ)き、冷温で固化させたのち切断、乾燥し、いったん焙焼(ばいしょう)してから、しょうゆ、砂糖、塩で味つけ、つや出し後、さらに焙炉(ほいろ)で乾燥させる。製品に、のり巻きあられ、鬼あられ、揚げ餅、柿の種などがある。
[沢 史生]
固形降水とよばれる雪の仲間の一つ。トタン屋根などに降るとパラパラと音がする。直径2~5ミリメートル程度の白色不透明な氷の粒で、球あるいは円錐(えんすい)に近い形をしている。落ちたとき、たやすく壊れるものと、壊れないものがある。普通、冬季に対流性の雲から降るが、地方や標高による差がある。太平洋側に比べて日本海側のほうが多く、北陸や北海道などではかなりの量になることもある。晩秋、初冬の季節風の吹き出しの際など、雪の前にあられが降ることが少なくない。そこで初あられが、季節の変わりの目安とされる。
雲の中であられができるとき、雪の結晶、あるいは凍った比較的大きい雲粒などが、しんになる。しんがある大きさを超えると、落下するにしたがって、過冷却した小さな雲粒が付着して、すぐ凍り付く。初めは付着雲粒の数が少ないため、雪に近い形をしているが、やがて、雪とあられの中間のものになる。雲粒は下面によく付着するため、雪の結晶が板状であるときは、落下するにつれて円錐形になりやすい。もとの六花形の結晶のあとが認められるものは六花あられとよばれる。普通の雪に比べて、温度が高く水蒸気が豊富なことが成長の条件とされている。密度は地方によって異なり、0.1~0.4グラム毎立方センチメートルの範囲であるが、暖候期にはもっと大きいこともある。落下速度は、小さくて軽ければ毎秒1メートルくらいであるが、密度が大きいと数倍も速くなる。
[篠原武次]
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(饒村曜 和歌山気象台長 / 宮澤清治 NHK放送用語委員会専門委員 / 2007年)
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