サーバ(英語表記)Umberto Saba

デジタル大辞泉 「サーバ」の意味・読み・例文・類語

サーバ(Umberto Saba)

[1883~1957]イタリア詩人。本名ウンベルト=ポーリ(Umberto Poli)。ユダヤ系でトリエステ生まれ。平明・簡潔な言葉で物語性あふれる音楽的な叙情詩を綴った。全詩集「カンツォニエーレ」、小説「エルネスト」など。サバ。

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改訂新版 世界大百科事典 「サーバ」の意味・わかりやすい解説

サーバ
Umberto Saba
生没年:1883-1957

イタリアの詩人。オーストリア帝国治下のトリエステに生まれたが,国籍はイタリア。彼の出生前に妻を捨てた父方の姓を捨て,ユダヤ系の母親への敬愛をこめ,ヘブライ語で〈パン〉を意味するサーバを名のる。幼年期の原体験,イタリア詩壇への違和,第1次大戦時の軍務体験,ファシズム治下の人種迫害からの逃亡生活,そして生まれた街と,妻リーナと,乏しい生活の糧をそこから得たトリエステの古書店サーバ書房への深い愛着など,辛苦と困窮の生涯を歌った詩集がいわば彼の自伝そのものである。処女作の《詩集》(1911)以下,《トリエステとひとりの女》(1910-12),《序曲と歌声》(1923),《死に瀕した心》(1925-30),《言葉》(1934)などの詩集を有機的に組み入れて《カンツォニエーレIl canzoniere》(初版1921,決定版1957)に集成した。散文作品に《近道と掌編》(1946),《追想・短編》(1956),没後公にされた小説《エルネスト》(1975),ある作家との往復書簡集《老人と青年》(1965)ほかがある。同じユダヤ系の批評家G.デ・ベネデッティがいち早く注目したにもかかわらず,サーバはその〈旧套〉ゆえに〈遅れてきた詩人〉として長く不遇をかこっていた。三人称による自己作品の注解《カンツォニエーレ編年史》(1948)は批評家の無理解を詩人自らが補ったものである。今日では,モンターレ,ウンガレッティと並ぶ20世紀イタリア詩の三つ巨峰と仰がれている。
トリエステ
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「サーバ」の意味・わかりやすい解説

サーバ
さーば
Umberto Saba
(1883―1957)

イタリアの詩人。本名ウンベルト・ポーリ。母方はユダヤ系。誕生直前に両親が離婚。生活を支えるために、早くから船員志願兵となるが、結婚後、トリエステに古書店を開き、詩作に沈潜する。ファシスト政府の人種法制定に伴って、一時、パリへ逃れるが、まもなく帰国して、フィレンツェローマに隠れ住む。こうした宿命を担いながら、サーバはその人生の途次で出会った人々や、故郷トリエステの町や、さまざまな事物を、あたかも自伝を書くように、叙情詩に綴(つづ)った。その詩は、ときに意識の流れやフロイトの精神分析の方法を取り入れることはあっても、けっして難解ではなく、鋭い感覚と深い思惟(しい)を背後に潜ませた、平明かつ簡潔なことばで綴られている。初期の詩から次々に発表された作品は『叙情詩集』(1961)に集大成されている。ほかに『「叙情詩集」の歴史と年代記』(1958)などがある。

[川名公平]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「サーバ」の意味・わかりやすい解説

サーバ
server

LANを管理するコンピュータ。サーバにはネットワーク全体で使用するプリンタハードディスクがつながっており,個々のコンピュータ (クライアント) の要求に応じて印刷やファイル管理,通信を行なう。パーソナル・コンピュータ用 LANのような小規模システムでは1台のコンピュータがすべての機能を兼用するが,印刷用のプリントサーバ,ファイルを蓄積するファイルサーバなど,機能別に複数のサーバを用意する場合もある。サーバを設置すると,各クライアントのコンピュータごとに周辺機器を用意せずにすみ,文書やデータの共有が可能だが,システムが複雑になり,専門の管理者が必要となる。

サーバ
Saba, Umberto

[生]1883.3.9. トリエステ
[没]1957.8.25. ゴリツィア
イタリアの詩人。本名 Poli。母方がユダヤ系のため,ファシズム時代には難を逃れてパリ,ローマに住んだこともあるが,生涯の大半をトリエステの中心街にある古書店主として過した。詩風はやや古く,ペトラルカ,レオパルディの手法を受継ぎ,現代に生残った最大の抒情詩人といわれる。主著は,1900~45年の代表作を収録した抒情詩集『カンツォニエーレ』 Canzoniere (1945) ,『カンツォニエーレの作詩を回顧して』 Storia e cronistoria del "Canzoniere" (48) ,死後に発見された自伝小説『エルネスト』 Ernesto (75) 。

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DBM用語辞典 「サーバ」の解説

サーバ【server】

(1)システムにアクセスしてくるクライアントのために情報を管理、提供を行うシステムのこと。(2)インターネットの中枢で、通信回線で接続されたコンピュータのことである。サーバは、データを要求するオンライン・コンピュータへ、文字や画像、マルチメディアの形式に情報を「料理して食卓に出す("serveup")」役割を果たす。サーバがダウンすれば、オンライン・クリックが出来なくなり、保存された情報へのアクセスも不可能となる。

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世界大百科事典(旧版)内のサーバの言及

【トリエステ】より

…このためトリエステの文学は中欧の文学と結びつき,フロイトの精神分析を取り入れるなど,早くから心理主義的傾向をみせ,同時にイタリア文学を近代ヨーロッパの文学に結びつけた。その核として働いたのがズベーボサーバらユダヤ人の活動である。ユダヤ人同士の人種的結合による文学サークルは存在しないが,現代作家のA.モラビアN.ギンズブルグG.バッサーニ,あるいは文芸批評家デベネデッティGiacomo Debenedetti(1901‐67)らを含め,トリエステを拠点とするユダヤ人の文学はイタリアで隠然たる力をもっている。…

※「サーバ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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