翻訳|set
③の映画用語としては、大正九年(一九二〇)に松竹キネマ合名社の撮影技師として招聘されたヘンリー小谷が日本に持ちこみ、以後広く使われるようになった。それ以前は「舞台」と言っていた。
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…このころに活動写真から映画に総称用語が移り変わっていったことがわかる。《活動写真劇の創作と撮影法》(1917)を書いた帰山教正が,〈活動写真劇〉(舞台脚本,女形,セット撮影)1本分の製作費で,〈映画劇〉(オリジナルシナリオ,女優,出張撮影(ロケーション))2本作れると宣言し,続いて実際に《生の輝き》《深山の乙女》(ともに1918)を作ってこれを〈純映画劇〉と称したのもこの時期であった。日本活動写真株式会社(日活),天然色活動写真株式会社(天活)などといった映画会社に対して,牧野教育映画制作所といった社名が生まれたのもこの時期(1921)である。…
…歌舞伎から出た語であるが,現代では一般の演劇から映画・テレビなどの用語にもなっている。ただし,一般演劇では〈舞台装置〉,映画・テレビなどでは〈セット〉という語の同義語として使われるが,歌舞伎本来の大道具とはもっと範囲が広く,〈引幕〉〈回り舞台〉〈セリ〉など劇場常備の舞台機構も含まれ,道具の作製と飾りつけや機構の操作を受けもつ職業を〈大道具師〉〈大道具方〉または〈道具方〉と呼んでいる。 初期の歌舞伎は能舞台をそのまま模したような舞台で,演目も単純な一幕物ばかりだったから,大道具も簡単であったが,脚本が進歩して多幕物が発達し,演出も複雑になるにともなって,それまで舞台装置に類するものを担当していた大工職が独立し,専門の大道具師が生まれた。…
…現在にも伝わるキルトが17世紀にあらわれるまでは,人々はこのタータンを体に巻きつけたベルテッド・プラドbelted plaidと呼ばれるいでたちをしていた。タータンの柄はセットsettと呼ばれ,古くは草木染による2~3色の単純なチェックで,地方ごとに決まったタータン(ディストリクト・タータンdistrict tartan)があった。10世紀から11世紀にかけてのマルコム1世,2世の時代にスコットランド特有のクラン(氏族)制度が確立すると,それぞれのクラン・タータンが生まれた。…
※「セット」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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