日本大百科全書(ニッポニカ) 「ミディ運河」の意味・わかりやすい解説
ミディ運河
みでぃうんが
Canal du Midi
フランス南部、地中海とガロンヌ川上流の都市トゥールーズを結ぶ内陸艀(はしけ)運河。地中海岸のマルセイランよりベジェル、ナルボンヌ、カルカソンヌなどを経て、トゥールーズでガロンヌ川並行運河(長さ約193キロメートル、閘門(こうもん)53か所)に結ばれている。長さ約240キロメートル。閘門101か所、途中で地中海斜面と大西洋斜面の分水嶺(ぶんすいれい)を越える。幅10メートル、深さ1.8メートル。17世紀後半のルイ14世時代に開通した歴史の古い運河である。ガロンヌ川の航行困難な区間を避けるため、1856年にガロンヌ川並行運河が開通してミディ運河と結ばれた。フランスの幹線系内陸水路の一つで、地中海と大西洋のジロンド河口、ビスケー湾を結ぶ水路の一部となっている。この運河は1996年に世界遺産の文化遺産として登録されている(世界文化遺産)。
[青木栄一]