ダンピング症候群(読み)ダンピングショウコウグン(英語表記)dumping syndrome

翻訳|dumping syndrome

デジタル大辞泉 「ダンピング症候群」の意味・読み・例文・類語

ダンピング‐しょうこうぐん〔‐シヤウコウグン〕【ダンピング症候群】

胃を手術で切除した患者食後に起こる悪心おしん嘔吐おうと脱力感動悸どうき発汗などの一連症状食物が急速に小腸に移動することによる。

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精選版 日本国語大辞典 「ダンピング症候群」の意味・読み・例文・類語

ダンピング‐しょうこうぐん‥シャウコウグン【ダンピング症候群】

  1. 〘 名詞 〙 ( [英語] dumping syndrome の訳語 ) 胃切除患者の一〇~二〇パーセントにみられる症候群。食後三〇分以内に胃部の膨満感、圧迫感、全身倦怠感、冷汗動悸嘔気嘔吐などの症状があらわれる。適切な食事指導などで徐々に回復する。

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改訂新版 世界大百科事典 「ダンピング症候群」の意味・わかりやすい解説

ダンピング症候群 (ダンピングしょうこうぐん)
dumping syndrome

胃切除の手術を受けた後におこる胃切後遺症の一つ。食後,心窩部(しんかぶ)(みぞおち)膨満感,圧迫感,悪心,嘔吐などの腹部症状と,脱力感,めまい,発汗,心悸亢進などの循環失調症状を伴う一連の症候群である。食事後,切除されて小さくなった胃から小腸内への排出が急速な場合(これを墜落的排出という)におこりやすい。原因として,小腸壁に対する化学的な刺激による自律神経反射と,さらに急速な浸透圧の変化による循環血液量の減少などがあげられている。炭水化物などの食物を減らし,流動食を固形食に変えるなど食事の量や質を変えたり,食後に横になるなど,体位を工夫して発症を予防する。薬物療法や外科的療法もあるが,いずれも確実なものはない。医師と患者の協力,忍耐および根気よい栄養補給を行うと,半年から2~3年で自然に回復することもある。
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栄養・生化学辞典 「ダンピング症候群」の解説

ダンピング症候群

 胃切除後症候群ともいう.胃の手術後食事に関連して起こる一群の症候.食後に冷汗,めまい,動悸などを訴える.ダンピング症候群を胃切除後症候群の一つとする場合もある.

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百科事典マイペディア 「ダンピング症候群」の意味・わかりやすい解説

ダンピング症候群【ダンピングしょうこうぐん】

胃切除後症候群

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世界大百科事典(旧版)内のダンピング症候群の言及

【胃切除】より

…胃切除後は,胃が小さく,あるいはまったくなくなるので,種々の脱落症状(ある臓器の一部あるいは全部を除去したとき,その臓器の機能の欠如によって起こる症状)が起こってくる。最も厄介なのは食事後に起こる,めまい,冷汗,心悸亢進などを主体とするダンピング症候群である。そのほか,胃が小さいために食事が十分にとれない小胃症状,アルカリ性の腸液が食道に逆流して起こる逆流性食道炎,つなぎめの潰瘍の再発である吻合(ふんごう)部潰瘍,手術後の貧血などの合併症や後遺症がある。…

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