翻訳|nucleotide
核酸の構成単位にもなる低分子生体物質。塩基と糖がN-グリコシド結合したものをヌクレオシドnucleosideと呼び,ヌクレオシドの糖部分にリン酸がエステル結合したものをヌクレオチドと呼ぶ。塩基部分はプリン塩基,またはピリミジン塩基で,糖部分がリボースのものをリボヌクレオチドribonucleotide,デオキシリボースのものをデオキシリボヌクレオチドdeoxyribonucleotideと呼ぶ。これらは重合して,前者はRNA,後者はDNAを形成する。ヌクレオチドは単独でも重要な生体機能をもち,環状AMPのように代謝調節因子となるものもある。また,FADや,NADなどの補酵素の成分ともなる。さらにATPのようにリン酸の供与体や,エネルギーの供与体としての役割をもつものもある。
執筆者:柳田 充弘
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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ヌクレオシドのリン酸エステルの総称.核酸はヌクレオチドの重合体であり,ポリヌクレオチドという.ヌクレオチドを単量体として表すときにはモノヌクレオチドといい,2個以上10個程度までの重合体をオリゴヌクレオチドという.構成糖の違いによりリボヌクレオチドとデオキシリボヌクレオチドがあり,また,リン酸基の結合位置の相違により5′-,3′-または2′-リボヌクレオチドとよぶ.ヌクレオシド5′-二リン酸の代表的なものは,ADP,GDP,CDP,UDPであり,ヌクレオシド5′-三リン酸では,ATP,GTP,CTP,UTP,dATP,dGTP,dCTP,TTPがよく知られている.そのほか,補酵素作用のあるNAD,NADP,FMN,FADなどもヌクレオチドとよばれることがある.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報
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[核酸の基本構造]
DNAもRNAも基本構造は共通で,核酸塩基nucleic acid base(通常は単に塩基と略す)と五炭糖pentoseよりなる単位がリン酸を介して一次元的に連なっている(図1)。塩基と糖からなる単位をヌクレオシドnucleosideと呼び,これにリン酸基のついた単位をヌクレオチドnucleotideと呼ぶ。DNAとRNAの化学構造上の差は次の2点にある。…
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[核酸の基本構造]
DNAもRNAも基本構造は共通で,核酸塩基nucleic acid base(通常は単に塩基と略す)と五炭糖pentoseよりなる単位がリン酸を介して一次元的に連なっている(図1)。塩基と糖からなる単位をヌクレオシドnucleosideと呼び,これにリン酸基のついた単位をヌクレオチドnucleotideと呼ぶ。DNAとRNAの化学構造上の差は次の2点にある。…
…5′‐イノシン酸(5′‐IMP),5′‐グアニル酸(5′‐GMP)などの呈味性ヌクレオチドをはじめとするきわめて多数の核酸関連物質の微生物による生産の総称。
[呈味性ヌクレオチドの生産]
1913年に小玉新太郎は鰹節のうま味の主成分がイノシン酸のヒスチジン塩であると報告した。…
※「ヌクレオチド」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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