レーム(英語表記)Ernst Röhm

改訂新版 世界大百科事典 「レーム」の意味・わかりやすい解説

レーム
Ernst Röhm
生没年:1887-1934

ナチス突撃隊の指導者。1919年からミュンヘンで国防軍将校大尉)としてヒトラー運動を支援,ナチスの行動組織である〈突撃隊(SA)〉を組織。一時ヒトラーと不仲になったが,30年から再び突撃隊参謀長。〈第三帝国〉成立後は突撃隊を基盤とする新しい軍隊の創設を夢見たが,伝統的ドイツ国防軍との当面提携を重視するヒトラーによって,1934年6月30日のいわゆる〈レーム事件〉で粛清された。
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山川 世界史小辞典 改訂新版 「レーム」の解説

レーム
Ernst Röhm

1887~1934

ナチス・ドイツの政治家で,もと士官。ヒトラー以前からナチ党員であり,突撃隊(エス・アー〈SA〉)を組織した。一時南アメリカにあったが,1930年以来,再びSAの指導者となり,SAを正規軍と並ぶ強大な組織にした。このことがナチス政権成立ののち,彼とヒトラーをはじめとするナチ党主流や,軍部との対立原因となり,軍部の支持を必要としたヒトラーの命令により,34年7月射殺された。

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旺文社世界史事典 三訂版 「レーム」の解説

レーム
Ernst Röhm

1887〜1934
ナチス突撃隊の指導者
国防軍の将校であったが,ヒトラーに賛同し,突撃隊を組織した。のちヒトラーと対立し,1934年暗殺された。

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世界大百科事典(旧版)内のレームの言及

【ナチス】より

…権力獲得の方策としては,議会選挙への参加を拒否して突撃隊を強化し,バイエルン国防軍や民間の準軍事団体と提携してクーデタによる権力奪取の構想に専念した。23年1月フランス軍のルール占領以後には突撃隊の武装は,レームを仲介とするバイエルン国防軍の援助で強化された。同年秋ごろ突撃隊は棍棒や鞭に代わり小銃,機関銃,大砲を具備した本格的な戦闘部隊にまで成長した。…

※「レーム」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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