ロビンフッド

デジタル大辞泉 「ロビンフッド」の意味・読み・例文・類語

ロビン‐フッド(Robin Hood)

英国12、3世紀ごろの伝説上の義賊シャーウッドの森に隠れ、貪欲な僧侶や富裕な貴族らを襲い、略奪品を貧しい者に施したと伝える。多く物語・詩・劇に登場する。

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精選版 日本国語大辞典 「ロビンフッド」の意味・読み・例文・類語

ロビン‐フッド

(Robin Hood) 一二、三世紀のイギリスにいたとされる伝説上の義賊。シャーウッドの森に居を構えて、神出鬼没活躍を続けた。スコット小説アイバンホー」の登場人物としても知られる。

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改訂新版 世界大百科事典 「ロビンフッド」の意味・わかりやすい解説

ロビン・フッド
Robin Hood

イギリスの伝説的英雄。〈獅子心王〉リチャード1世(在位1189-99)の時代,すなわち12世紀後半ごろに,ノッティンガムシャーのシャーウッドの森にこもり活躍したと伝えられる。リトル・ジョン,タック坊さんなど,愉快な部下とともに悪王の圧政に苦しむ民衆を助け,金持ちから奪った富を貧民に与え,けっして女に害を加えぬ義賊といわれる。一説によると,本名をハンティンドン伯爵ロバート・フィツースEarl of Huntingdon,Robert Fitz-Oothという貴族であったが,ゆえあって国法を破り森に住む山賊となり,最後に一修道女の裏切りによって非業の死をとげたことになっている。ロビン・フッドは民衆の間に圧倒的な人気があったため,数々の文献に名を残している。長編詩《農夫ピアーズの夢》(1360年代から90年代)の中にすでにその名が現れるし,15世紀の多くのバラッドに歌われている。15世紀ごろからイギリス民衆の間に流行した舞踊モリス・ダンス〉では,踊り手がロビン・フッドや部下に扮する習慣があり,とくに〈メーデー〉(五月祭,5月1日)は〈ロビン・フッドの日〉と呼ばれ,祝祭行事の一つとして彼に扮して踊って芝居をする。16世紀には彼を主人公とする多くの戯曲が,例えばマンデーAnthony Munday(1553?-1633)などによって書かれた。19世紀のウォルター・スコットの代表作《アイバンホー》(1820)でも,リチャード1世を助ける正義の士としてロビン・フッドが登場する。現在でも映画やアニメ,絵本や漫画で活躍している。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内のロビンフッドの言及

【モリス・ダンス】より

…おおむね6人のほかに道化や,ホビー・ホースと呼ばれる馬に扮した人物が加わる。踊手は伝説上の人物に扮することが多く,ロビン・フッド,その恋人メアリアン,修道僧タックなど,ロビン・フッド物語の人物が最も一般的だが,顔を黒く塗ってムーア人になることもある。五月祭のころに行われることが多いので,新しい季節の到来や生命の復活を祝う,祭式的な意味をもっていたと考えられる。…

※「ロビンフッド」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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