佐治敬三(読み)サジ ケイゾウ

20世紀日本人名事典 「佐治敬三」の解説

佐治 敬三
サジ ケイゾウ

昭和・平成期の実業家 サントリー会長;TBSブリタニカ会長;大阪21世紀協会会長。



生年
大正8(1919)年11月1日

没年
平成11(1999)年11月3日

出生地
大阪府大阪市東区道修町

出身地
兵庫県川西市

旧姓(旧名)
鳥井

学歴〔年〕
大阪帝国大学理学部化学科〔昭和17年〕卒

主な受賞名〔年〕
藍綬褒章〔昭和51年〕,フランス芸術文化勲章〔昭和61年〕,西ドイツ功労勲章大功労十字章〔昭和61年〕,アギラ・アステカ勲章(メキシコ)〔昭和62年〕,スウェーデン王立理工学アカデミー会員〔昭和62年〕,オーストリア・コマンダークロス勲章〔昭和63年〕,勲一等瑞宝章〔平成1年〕,レジオン・ド・ヌール勲章オフィシエ章〔平成2年〕,イタリア功績勲章〔平成3年〕,オランダ・オレンジ・ナッソウ勲章〔平成3年〕,モンブラン文化賞(ドイツ・ハンブルク)〔平成6年〕,ウィーン市名誉金章〔平成6年〕,フランツ・シャルク・メダル〔平成11年〕,毎日スポーツ人賞(文化賞 平11年度)〔平成12年〕,毎日経済人賞(特別賞 第20回)〔平成12年〕

経歴
寿屋(サントリーの前身)の創業者・鳥井信治郎の二男。中学入学時に母方の佐治姓に。昭和20年寿屋入社。22年取締役、24年専務を経て、36年社長に就任。この間、25年に“トリス”の大量生産販売体制をつくり、30年以後の洋酒ブーム“トリスバー文化時代”を築く。またPR誌「洋酒天国」の編集に開高健らを起用し、広告主導型の現代経営を打ち出した。38年社名をサントリーに変更、同年社運をかけてビール事業に進出、以後、飛躍的に事業を拡大させ、理科系の技術者らしからぬ経営手腕は高く評価された。56年TBSブリタニカで出版業界にも進出。また、企業の社会・文化活動の重要性を早くから唱え、36年サントリー美術館、44年サントリー音楽財団、54年サントリー文化財団などを設立、幅広い活動を展開した。平成2年サントリー会長。大阪商工会議所会頭、日商副会頭、関西経済同友会代表幹事、日本洋酒造組合理事長、大阪バイオサイエンス研究所理事長、大阪21世紀協会会長などを歴任

出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「佐治敬三」の意味・わかりやすい解説

佐治敬三
さじけいぞう

[生]1919.11.1. 大阪,大阪
[没]1999.11.3. 兵庫,川西
実業家。洋酒メーカーの草分けである寿屋(→サントリーホールディングス)の創業者鳥井信治郎の二男に生まれたが母方の養子となる。1942年大阪帝国大学理学部を卒業後学者を志すが,実兄が急死したため 1945年寿屋に入社。ウイスキー「トリス」の大量生産販売体制を整えると,全国の都市の歓楽街に「トリスバー」を展開してサラリーマン層へのウイスキーの普及に努め,第1次洋酒ブームを巻き起こした。一方で「酒は文化」の考えのもと,編集長に開高健を起用した PR誌『洋酒天国』を創刊するなど,広告・マーケティング主導の経営戦略の先鞭をつけた。1961年社長に就任。1963年社名をサントリーに変更,ビール事業に進出すると事業を飛躍的に拡大させた。1985年から大阪商工会議所会頭を務めた。サントリー美術館サントリーホールなどを開設,サントリー文化財団を設立して学芸賞や音楽賞を設けるなど出版・文化事業にも貢献した。みずからも音楽や俳句をたしなみ,油絵はプロ並みであった。1990年サントリー会長。1976年藍綬褒章,1986年フランス芸術文化勲章,1989年勲一等瑞宝章,1990年レジオン・ドヌール勲章受章

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「佐治敬三」の解説

佐治敬三 さじ-けいぞう

1919-1999 昭和後期-平成時代の経営者
大正8年11月1日生まれ。鳥井信治郎の次男。母方の姓をつぐ。父が創業した寿屋(現サントリー)に昭和20年入社。マーケティング重視の経営で「トリスバー文化」を出現させ,36年社長,平成2年会長。ビールや医薬品,出版業にも進出。文化活動にも力をそそぎ,サントリー美術館,サントリーホールなどを設立。大阪商工会議所会頭などもつとめた。平成11年11月3日死去。80歳。大阪出身。大阪帝大卒。
格言など】「もうかるか」いうことだけやなしに「おもろいか」という尺度で考える経営者がもっといていい(趣味写真,俳句,絵画の個展をひらいて)

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

367日誕生日大事典 「佐治敬三」の解説

佐治 敬三 (さじ けいぞう)

生年月日:1919年11月1日
昭和時代;平成時代の実業家。サントリー会長;TBSブリタニカ会長
1999年没

出典 日外アソシエーツ「367日誕生日大事典」367日誕生日大事典について 情報

今日のキーワード

プラチナキャリア

年齢を問わず、多様なキャリア形成で活躍する働き方。企業には専門人材の育成支援やリスキリング(学び直し)の機会提供、女性活躍推進や従業員と役員の接点拡大などが求められる。人材の確保につながり、従業員を...

プラチナキャリアの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android