小説家。大阪市生まれ。父は作家紅緑(こうろく)、また詩人サトウ・ハチローは異母兄にあたる。旧制甲南高等女学校卒業。『文芸首都』に習作を発表。『ソクラテスの妻』『二人の女』(ともに1963)が芥川(あくたがわ)賞候補に、『加納大尉夫人』(1964)は直木賞候補となる。無力な夫のために苦労する妻の話『戦いすんで日が暮れて』(1969)で直木賞を受ける。自伝小説『愛子』(1959)、紅緑の伝記『花はくれない』(1967)、母を描いた『女優万里子』(1974)のほか、女の宿命を描いた『その時がきた』(1971)、『ソクラテスの妻』同様、自己の分身を登場させて作品化した『幸福の絵』(1979。女流文学賞)、夫婦や家族について、そして教育問題をかわいたユーモアで描く長編『凪(なぎ)の光景』(1988)、『風の行方』(1997)などがある。また、2001年(平成13)には、父紅緑、兄ハチローなど家族をモデルとした『血脈』が完結、菊池寛賞を受賞した。ほかに、短編集『人生って何なんだ!』(1990)やエッセイ集『我が老後』(1993)、『不敵雑記――たしなみなし』(2001)などがあり、体験的な題材を扱った小説、エッセイで活躍している。骨太な筆法とおおらかな風刺精神に特色がある。
[田中美代子・橋詰静子]
『『我が老後』『我が老後 なんでこうなるの』『我が老後 だからこうなるの』『我が老後 そして、こうなった』(1993、95、97、2000・文芸春秋)』▽『『血脈』上中下(2001・文芸春秋)』▽『『不敵雑記――たしなみなし』(2001・集英社)』▽『『ソクラテスの妻』『その時がきた』(中公文庫)』▽『『戦いすんで日が暮れて』『花はくれない』(講談社文庫)』▽『『加納大尉夫人』『愛子』(角川文庫)』▽『『女優万里子』『幸福の絵』『凪の光景』上下『人生って何なんだ!』『風の行方』上下『自讃ユーモア短篇集』1~2(集英社文庫)』
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