塑性流動(読み)そせいりゅうどう(その他表記)plastic flow

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「塑性流動」の意味・わかりやすい解説

塑性流動
そせいりゅうどう
plastic flow

一定限度をこえる応力を受けた物質に生じる不可逆的変形。たとえば生ゴムや粘土は水飴と違い,流動的に変形はするがそれにはある程度以上の外力が必要である。これが塑性流動の現象で,金属のような結晶質物質でも,条件によってはこの性質を示す (→超塑性 ) 。物質が流動変形するとき,その物質の構成粒子間には,流れ方向に直角な面内に速度勾配 K ,流れ方向にずれ応力 S がある。粘性流動では KS の間に直線関係があるが,粒子がある程度以上の大きさになると,全体の変形のために粒子自体の変形などの別の変化を伴うので,もはや直線関係は成り立たない。粒子自身が変形する場合,それに必要な最小のずれ応力を S0 とすると,SS0 では流動が起らず,SS0 で流動は起る。このとき,KS の関係は ηK=(SS0)n ( η は粘性率に相当する値,n は物質による定数) で表わされる。これを塑性流動という。

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最新 地学事典 「塑性流動」の解説

そせいりゅうどう
塑性流動

plastic flow

高温高圧下で結晶質の岩石に起こる永久変形塑性変形のこと。巨視的な破壊を伴わないことが特徴で,流体の流動と見かけ上よく似ている。しかし,実際には流体の流動とはかなり違うメカニズム,すなわち結晶中の転位の運動,原子拡散結晶粒界でのすべりが原因で起こる。複数の鉱物種からなる岩石では,鉱物の種類によって塑性流動の度合が異なるために,その挙動は複雑である。化学反応や動的再結晶が伴うことが普通である。変成岩にふつうにみられる変形,塑性剪断帯中のマイロナイトの変形が塑性流動の例である。

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岩石学辞典 「塑性流動」の解説

塑性流動

流体の速度が流れと直角の方向に変化するとき,粘性のために速度差をなくするような接線応力が現れる.この際に壁と直角方向の速度変化が接線応力の成分と比例するものをニュートン粘性といい,この法則に従う流動をニュートン流動という.これに従わないものが塑性流動で,塑性流動では応力がある降伏値を超えたときに流動が起こる場合がある.岩石は高温では塑性変形をしやすくなり,ついには流動性をもち熔融体となる.岩石が流動する場合に限らず,岩体としては塑性流動により変形することが観察されている.すべてのマグマがニュートン液体の振舞を行うわけではなく,マグマは高分子化して数%以上の結晶を含むと非ニュートン液体,例えばビンガム流体(Bingham flow)のような振舞をする[Spera : 1980].

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化学辞典 第2版 「塑性流動」の解説

塑性流動
ソセイリュウドウ
plastic flow

固体または無定形物質の流動的変形をいう.塑性流動における応力-ひずみ速度関係は原点を通らず,一般には曲線であるが,これが直線の場合を理想塑性流動あるいはビンガム流動という.[別用語参照]塑性変形

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

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