富士松(読み)フジマツ

デジタル大辞泉 「富士松」の意味・読み・例文・類語

ふじ‐まつ【富士松】

カラマツ別名
富士松節」の略。
[補説]狂言曲名別項。→富士松

ふじまつ【富士松】[狂言]

狂言。主人から富士松所望された太郎冠者が、酒を勧めてごまかそうとするが、松をけての連歌付合つけあいとなる。

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精選版 日本国語大辞典 「富士松」の意味・読み・例文・類語

ふじ‐まつ【富士松】

  1. [ 1 ] 〘 名詞 〙
    1. 植物からまつ(唐松)」の異名
      1. [初出の実例]「御寮のその日の御装束には、羅綺の重衣(てうい)のふじまつの、風折したる立烏帽子」(出典曾我物語(南北朝頃)八)
    2. ふじまつぶし(富士松節)
  2. [ 2 ] 狂言。各流。断わりなしに留守にしていた太郎冠者をしかりに主人が出かける。しかし、太郎冠者が富士参詣に出かけていたというので許すことにし、富士山の様子を聞き富士松を所望する。太郎冠者は富士松の所望に応ぜず、それより連歌となるが、太郎冠者は主人をいろいろにからかい、主人を怒らせる。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「富士松」の意味・わかりやすい解説

富士松
ふじまつ

狂言の曲名。大蔵(おおくら)流では大名狂言、和泉(いずみ)流では太郎冠者(かじゃ)狂言。主人は、無断で旅に出ていた太郎冠者(シテ)をきつく叱(しか)るが、富士参詣(さんけい)(富士権現(ごんげん)に詣(もう)でること)をしてきたと詫(わ)びるので許し、冠者が富士山で取ってきた富士松(唐松(からまつ)の別名)を欲しいという。しかし、冠者がなかなか承知しないので、主人は連歌(れんが)の付合(つけあい)をしてできないときには取ると勝手に決めて詠みかける。ところが、主人「後(あと)なる者よしばしとどまれ」冠者「二人とも渡れば沈む浮き橋を」主人「上もかたかた下もかたかた」冠者「三日月の水に映らふ影見れば」などと冠者はどんな難句にも即座に付句する。しかたなく主人が冠者を叱って終わる。室町時代に流行した俳諧(はいかい)連歌のおもしろさを巧みに仕組んだ曲。

[小林 責]

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