唐松(読み)カラマツ

デジタル大辞泉 「唐松」の意味・読み・例文・類語

から‐まつ【唐松/落松】

マツ科の落葉高木。日本特産。主に亜高山帯に分布し、高さ約30メートル。樹皮灰褐色、葉は針状で束生し、秋には黄葉する。4月ごろ、雄花雌花とがつき、上向きの球果ができる。材は建築土木などに使用富士松日光松。らくようしょう。
[類語]若松這松五葉松黒松赤松蝦夷松椴松とどまつヒマラヤ杉つが

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精選版 日本国語大辞典 「唐松」の意味・読み・例文・類語

から‐まつ【唐松・落葉松】

  1. 〘 名詞 〙
  2. マツ科の落葉高木。本州中部の深山の乾いた山地に生える。各地に広く植林され、庭木盆栽ともする。ふつう高さ二〇~三〇メートル、直径六〇~八〇センチメートル。樹皮は暗褐色で鱗片状にはげ落ちる。樹形はほぼ円錐形。葉は長さ二~四センチメートル、幅一~一・二ミリメートルの線形だが柔らかく、短枝に二〇~四〇個束生し、秋落葉する。五月ごろ、雌雄同株で、単性花を短枝の先に一個ずつ付ける。雄花は球形で黄色を帯び、雌花は楕円形で紅紫色。種子は長さ三~四ミリメートルの倒卵状くさび形で、翌年一〇月ごろ成熟し、長い翼をもつ。心材は建築用材、枕木、坑木、パルプの原料など各方面で重用される。葉の出方が唐絵のマツに似る。
    1. [初出の実例]「京のから松いなかのすきにさもにた」(出典:歌謡・田植草紙(16C中‐後)酒呑で後)
  3. 模様の名。唐松の短枝に菊座状に群生する葉を図案化したもの。
    1. [初出の実例]「べにぞめにくくして、はしばしにから梅から松から花からくさ、からししをぬはせた」(出典:浄瑠璃・双生隅田川(1720)三)
  4. からまつせんべい(唐松煎餠)」の略。〔和漢三才図会(1712)〕

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リフォーム用語集 「唐松」の解説

唐松

種子植物門裸子植物亜門球果植物網球果植物門マツ科カラマツ属に属する植物。漢字では唐松、落葉松と表記される。ラクヨウショウ、フジマツとも呼ばれる。英語表記では「Japanese Larch」。成長が早いことから、木材利用が逼迫した時期には寒冷地での植林樹種として利用された。材の性質としては、針葉樹のうちでは重硬で、耐久性、耐湿性に優れるが、割れやすく、仕上げ面は粗くなってしまうという点がある。 脂気が多く、年数を経ると樹脂が染み出て木肌が赤味がかり、風格のある美しさをたたえるようになる。しかし、ヤニが多く、材は乾燥によりねじれが生じる為、住宅の品質確保の促進等に関する法律が成立した現在では、そのまま建材として利用することは難しく、集成材などに加工して用いられる。家屋の土台によく用いられた。

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動植物名よみかた辞典 普及版 「唐松」の解説

唐松 (カラマツ)

学名:Larix kaempferi
植物。マツ科の落葉針葉高木,高山植物,園芸植物

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