デジタル大辞泉
「林檎」の意味・読み・例文・類語
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りん‐ご【林檎】
〘名〙
① 西洋
リンゴが普及する以前の和リンゴなどの
総称。
りんきん。りんき。りんごう。りゅうごう。〔本草和名(918頃)〕
※御湯殿上日記‐文明一〇年(1478)六月一日「二そん院よりりんこ一折まいる」 〔白居易‐西省対花憶忠州東坡新花樹詩〕
② バラ科の落葉高木。アジア西部からヨーロッパ東南部の原産で、古くから栽培される。日本へは江戸末期に渡来し、明治時代にはいって本格的な導入が行なわれた。高さ三~九メートル。葉は
広楕円形で縁に
鋸歯(きょし)がある。春、葉に先だって、枝先に径約五センチメートルの淡紅色の五弁花を開く。果実は
円形で甘酸っぱく、生食するほか、ジュース、
ジャムなどを作る。
国光・紅玉・旭・祝・富士・王林・世界一・スターキング・デリシャスなど数多くの改良品種がある。漢名は
苹果だが、慣用的に林檎を用いる。せいようりんご。《季・秋》
▼りんごの花《季・春》 〔日本植物名彙(1884)〕
[語誌](1)中国では古く西洋から伝わったリンゴを「柰」「頻婆」「苹果」などと表わした。それに対し、中国原産のものが「林檎」である。
(2)古く「十巻本和名抄‐九」には「林檎子 〈略〉利宇古宇
(りうこう)」とあるが、平安期に
リンドウが「りうたう」とも「りんたう」とも表記されていたように、リンゴウと発音していたとも考えられる。中世以降は
リンキ、リンキンの形も見られ、リウコウから次第にリンキン・リンゴのような撥音形へ移っていったようである。
近世に入るとほとんどの
書物でリンゴを一般形としている。
(3)「五六月に熟する者也」〔滑稽雑談‐六月〕ということで、
俳句では元祿以降六月の季語とされ、西洋リンゴが主流となった後も、しばらくはその説が継承された。現在では、出荷の早い「青リンゴ」のみ夏、普通のリンゴは秋のものとされる。
りゅう‐ごう リウ‥【林檎】
〘名〙 (「りんごん」の「ん」を「う」と表記したもの) =
りんご(林檎)①〔十巻本和名抄(934頃)〕
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
林檎 (リンゴ・リムキ;リンキ;リンキン)
学名:Malus pumila var.domestica
植物。バラ科の落葉高木,園芸植物
出典 日外アソシエーツ「動植物名よみかた辞典 普及版」動植物名よみかた辞典 普及版について 情報