国光(読み)クニミツ

デジタル大辞泉 「国光」の意味・読み・例文・類語

くにみつ【国光】

鎌倉後期の刀工粟田口国綱あわたぐちくにつなの子という。通称新藤五。法名、光心。鎌倉に住む。短刀の名人で、太刀少ない正宗はその弟子とされる。生没年未詳。
来国光らいくにみつ

こっ‐こう〔コククワウ〕【国光】

国の栄光。国の威光。
リンゴの一品種。果皮は紅黄色で、比較的酸味が少ない。晩生で収穫量が多く、貯蔵がきく。 秋》

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精選版 日本国語大辞典 「国光」の意味・読み・例文・類語

こっ‐こうコククヮウ【国光】

  1. 〘 名詞 〙
  2. その国の文化。その国の風俗制度、また地理などの状態。国風。〔易経‐観卦〕
  3. 国の栄光。国の名誉。国の威光。国華
    1. [初出の実例]「何ぞ国光を海外に輝かすに暇あらんや」(出典:夢醒真論(1869)〈貞方良助〉付録)
  4. リンゴの一品種。晩生で、色は紅黄。酸味の薄いもの。《 季語・秋 》

くにみつ【国光】

  1. らいくにみつ(来国光)

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「国光」の解説

国光(1) くにみつ

?-? 鎌倉時代の刀工。
京都粟田口(あわたぐち)派の国綱の子あるいは弟子,備前国宗の弟子などの諸説がある。鎌倉にすみ,相州物の事実上の祖という。直刃(すぐは)の短刀の名人で,短刀3口(ふり)(国宝),永仁(えいにん)元年(1293)作の「鎌倉住人新藤五国光作」銘の短刀(重要文化財)などがのこる。2代,あるいは3代が存在したといわれる。通称は新藤五。法名は光心。

国光(5) くにみつ

?-? 鎌倉時代の蒔絵(まきえ)師。
正和(しょうわ)4年(1315)朝廷の命をうけ近江(おうみ)(滋賀県)日吉神社神輿(しんよ)の造替にしたがう。西園寺家歴代の日記管見記」の同年の条に,神輿をつくった名工のひとりとして名がみえる。

国光(4) くにみつ

?-? 南北朝時代の刀工。
但馬(たじま)(兵庫県)法城寺派の祖。貞治(じょうじ)(1362-68)のころの人。相模(さがみ)(神奈川県)の貞宗の門人とされるが,異説もある。国光の作とされる無銘の薙刀1口(ふり)(重要文化財)がある。

国光(2) くにみつ

?-? 鎌倉時代の刀工。
京都粟田口(あわたぐち)派の則国の子。国友の子,あるいは国吉の子ともいう。黒川古文化研究所の太刀,岐阜県養老寺の太刀の2口(ふり)(いずれも重要文化財)が知られる。通称は藤兵衛尉。

国光(3) くにみつ

?-? 鎌倉-南北朝時代の刀工。
山城(京都府)来(らい)派の国俊の次男という。来国光の3字銘をきる。太刀と短刀をあわせて国宝3口(ふり),重要文化財20口が現存。通称は兵衛尉など。

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普及版 字通 「国光」の読み・字形・画数・意味

【国光】こくこう

国の文化。

字通「国」の項目を見る

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世界大百科事典(旧版)内の国光の言及

【相州物】より

…しかし,これらの刀工の作は現存せず,事実上は鎌倉中期に山城国粟田口派の国綱,備前国直宗派の国宗,一文字派の助真らが鎌倉に移住したことによって相州物の歴史は始まるといえる。だが,これらの刀工もそれぞれの派の伝統的な作風を継承するにとどまり,いわゆる相州伝といわれる特色ある作風を展開していくのは,国綱の子と伝える国光が出現してからである。国光は通称を新藤五といい,自らの作刀に〈鎌倉住人新藤五国光作〉と銘したものがのこる。…

※「国光」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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