流体包有物(読み)りゅうたいほうゆうぶつ(その他表記)fluid inclusion

最新 地学事典 「流体包有物」の解説

りゅうたいほうゆうぶつ
流体包有物

fluid inclusion

鉱物中に閉じ込められた流体のこと。流体の存在する環境で鉱物が成長するとき,あるいは鉱物生成後できた割れ目が閉じるとき,流体が捕獲されてできる。時間的関係から前者を初生包有物(primary inclusion),後者を二次包有物(secondary inclusion)という。結晶の成長途上でできる二次包有物は偽二次包有物(pseudo-secondary inclusion)と呼ぶ。相構成からは気液2相で液体に富むものを液体包有物(liquid-rich inclusion),同じく気体に富むものを気体包有物(vapor-rich inclusion),NaCl等の固相を含むものを多相包有物(polyphase inclusion)といい,固相のうち包有物形成後に晶出したものを娘鉱物(daughter mineral)という。流体の主成分は水の場合が多いが,CO2・メタンや石油のものもある。溶存塩類はNaCl・KCl・CaCl2等。母結晶の内壁自形となり負結晶(negative crystal)を示したり,1個の包有物が捕獲後いくつかの包有物に分離する現象(necking down)もよくみられる。岩石・鉱物・鉱床の成因的研究に広く用いられる。

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参照項目:加熱冷却台

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関連語 過程 変化

改訂新版 世界大百科事典 「流体包有物」の意味・わかりやすい解説

流体包有物 (りゅうたいほうゆうぶつ)
fluid inclusion

鉱物中に存在する流体を主体とする包有物。流体内で結晶が成長するときに,構造欠陥に起因してできた結晶内の空隙中に周囲の流体がとりこまれることによって生じる。天然の結晶では0.01mm以下の大きさのものが多いが,ブラジル産の水晶などでは肉眼で見えるものもある。高温で結晶中にとりこまれた流体は,常温では一般に2相(液相+気相),あるいは3相(液相+気相+固相)に分離している。これらの多相包有物を熱して1相になる温度充てん温度あるいは均質化温度)から結晶が生成した温度を推定することができるほか,包有物の組成から鉱物を沈殿した母流体の組成を知る手がかりが得られる。
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岩石学辞典 「流体包有物」の解説

流体包有物

液体を含む包有物.顕微鏡的または顕微鏡的以下の大きさで,最初結晶作用の過程で結晶内部に取り込まれた液体である.この流体を構成する液体および気体の組成分析や温度,圧力による変化から,包有物の形成当時の環境を推測する手がかりとして利用される.⇒包有物

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