デジタル大辞泉
「生世話物」の意味・読み・例文・類語
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
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きぜわ‐もの【生世話物】
- 〘 名詞 〙 歌舞伎脚本の種類の名称。脚本の書かれた当時の世相、風俗、人情に取材し、演出や演技の上で写実的な社会劇である世話物のうち最も写実的傾向の著しい内容や演出による脚本類。代表的作者は河竹黙阿彌(かわたけもくあみ)。生世話狂言。生世話。〔新時代用語辞典(1930)〕
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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生世話物
きぜわもの
歌舞伎狂言の一種。真世話物ともいう。生粋の世話物という意味で,庶民生活を題材とする世話狂言をさらに写実的にしたもの。化政期 (1804~30) に4世鶴屋南北を中心に発達した。庶民のうちでも下層階級の人々を徹底的に描き,陰惨卑猥さを盛込んだことが,退廃的世相に合致して流行した。怪談物,白浪物 (盗賊物) が主要部分を占める。幕末期,河竹黙阿弥も様式化,音楽化の方向を示しながらも,これを継承し推し進めた。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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生世話物
きぜわもの
真世話物(まぜわもの)とも。歌舞伎戯曲の世話物の一区分。純粋な世話物,世話物のなかの世話物という意味で,下層社会の風俗や犯罪を描いた点に特徴があるが,手法は一定しない。生世話物の代表的作者である文化・文政期の4世鶴屋南北は,綯交ぜ(ないまぜ)の手法のなかで市井風俗をどぎつく描写したが,幕末の河竹黙阿弥はこれを美しく様式的に表現した。なお並木五瓶(ごへい)の「五大力恋緘(ごだいりきこいのふうじめ)」を生世話物の嚆矢とする説がある。
出典 山川出版社「山川 日本史小辞典 改訂新版」山川 日本史小辞典 改訂新版について 情報
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