草月流(読み)そうげつりゅう

精選版 日本国語大辞典 「草月流」の意味・読み・例文・類語

そうげつ‐りゅうサウゲツリウ【草月流】

  1. 〘 名詞 〙 華道流派。昭和二年(一九二七勅使河原蒼風(てしがわらそうふう)創始。新しい花材や花器を用い、従来生け花にとらわれない、造形芸術としての生け花の創造をねらいとする。現在は家元制を廃し、草月会と称する。

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改訂新版 世界大百科事典 「草月流」の意味・わかりやすい解説

草月流 (そうげつりゅう)

勅使河原蒼風(てしがはらそうふう)によって1927年に創流された近代いけばなの流派。現在大手三派と俗称される池坊・小原・草月の三流の一つ。蒼風の父,和風は池坊未生流などの花技を学び,のちに流派を否定して〈日本生花学会〉を主宰していた。はじめ父のもとで花技を学んだ蒼風はのち父と決別し草月流を創流し,28年銀座千疋屋で第1回の草月展を開催,その近代的ないけばなの作風によって名声を高めた。蒼風のいけばなは造形芸術としてのいけばなの確立をめざしたもので,初期には古典派の華道界からの批判も多かったが,その恵まれた才能によってとくに45年以降はいけばな界の中心作家として活躍した。いけばなの造形性の追求は現在でも草月流の主張であって,蒼風によって高められたいけばなの芸術性は勅使河原宏(1927-2001)によって継承された。東京赤坂にある草月会館は,蒼風のつくりあげたモニュメントであって門下の精神的な拠点ともなっている。
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百科事典マイペディア 「草月流」の意味・わかりやすい解説

草月流【そうげつりゅう】

いけばなの一流派。1927年勅使河原蒼風が創始。投入れ花,盛花に近代造形美術の感覚素材を大胆に取り入れる。蒼風は米国はじめヨーロッパ各地で作品発表,いけばなの国際的普及に尽力した。東京赤坂に草月会館がある。
→関連項目草月アートセンター勅使河原宏

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「草月流」の意味・わかりやすい解説

草月流
そうげつりゅう

生け花の流派。大正末期の主観的不完全性の美を求める機運に,生け花でもその一翼をになって勅使河原蒼風 (1900~79) が創始した。父の日本生花学会会長勅使河原久次から離れて 1927年5月に創流。これは同時に新様式の現代華発足にもあたる。翌年の第1回展で認められ,ラジオの家庭講座で放送,これが発展の契機となった。

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世界大百科事典(旧版)内の草月流の言及

【勅使河原蒼風】より

…草月流いけばなの創始者。本名鉀一(こういち)。…

※「草月流」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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