江戸時代の寺院統制機構の一つ。幕府および各藩の寺社奉行の下で,本山および一般寺院の上申下達の仲介を行い,また一定の統制にあたった寺院をいう。室町幕府の僧録司(僧録)がその起源。戦国期には各大名が有力寺院を僧(総)録とか録所の名で呼び,領内寺院の統制にあたらせた。宗派別に置かれた場合と全宗派を合して一寺とした場合があり,これは江戸時代の各藩ごとの触頭の場合にも同様にみられる。これとは別に,1635年(寛永12)に幕府が寺社奉行を設置すると,それとの対応関係上,各宗派は江戸に触頭寺院を置いた。たとえば,真宗では築地本願寺・浅草別院,浄土宗では増上寺,曹洞宗では総寧寺(下総)・大中寺(下野)・竜穏寺(武蔵)の関三刹が,それぞれ触頭とか僧録と呼ばれて,その任にあたった。身分制支配体制をとる江戸幕府の行政組織からいえば,寺社奉行-触頭は,僧侶身分を一元的に統制する性格をもつものといえる。
執筆者:大桑 斉
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触は為政者の法令などを世間に広く布告する意。町組が発達した室町時代の京都では,奉行などの命令を枝町に伝える親町の上京13組を触頭と称した。また江戸時代,寺社奉行のもとに属して幕命を各寺院に下達し,寺院の訴願を幕府に上申した仲介機関をいう。おもに江戸の有力寺院が任命され,曹洞宗・臨済宗では僧録,浄土真宗では輪番,浄土宗では役者などといった。地方には触頭の命を藩内寺院に伝達する小触頭があった。
出典 山川出版社「山川 日本史小辞典 改訂新版」山川 日本史小辞典 改訂新版について 情報
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