海底熱水鉱床(読み)カイテイネッスイコウショウ(その他表記)submarine hydrothermal deposit

デジタル大辞泉 「海底熱水鉱床」の意味・読み・例文・類語

かいてい‐ねっすいこうしょう〔‐ネツスイクワウシヤウ〕【海底熱水鉱床】

深海底鉱物資源の一。海底から噴き出した熱水に含まれる金属成分が冷却されて固まり、沈殿してできた鉱床レアメタル希少金属)を豊富に含むことから、調査開発が進む。日本近海では、伊豆小笠原沖縄などの海域で確認されている。→熱水鉱床

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共同通信ニュース用語解説 「海底熱水鉱床」の解説

海底熱水鉱床

地中から熱水が噴き出す海底の周りで、熱水に含まれる金属成分が沈殿してできた鉱床。煙突のような噴出口や、小高い丘などの地形が特徴で、含有される金属には銅や鉛、亜鉛などのほか、貴金属の金や銀がある。貴重な資源とされるガリウムゲルマニウムなどのレアメタルも多く含むものもある。日本近海では伊豆や小笠原の周辺や沖縄海域などでの存在が知られ、政府は商業化に向けた探査や技術開発を推進している。鉱床にすむ生物が特殊な生態系を構成していることでも注目されている。

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最新 地学事典 「海底熱水鉱床」の解説

かいていねっすいこうしょう
海底熱水鉱床

seafloor hydrothermal deposit ,submarine hydrothermal deposit

海底火山活動に伴って湧出する熱水から沈殿した鉱床。1965年紅海Atlantis II Deepで湧出する高塩濃度高温塩水(56℃)から重金属に富む沈殿物が生じているのが発見されたのち,ガラパゴス海嶺東太平洋海膨大西洋中央海嶺や,バンクーバー沖のJuan de Fuca Ridgeなど,世界各地の発散型プレート境界で中央海嶺玄武岩活動に伴う高温熱水(>250℃)の噴出により形成された海底熱水鉱床が次々と見いだされた。そこではシロウリガイ(limpet)・コシオリエビ(vent shrimp)・チューブワーム(tube worm)などの特殊な生態系の存在も知られた。噴出熱水から晶出する硫化鉱物の懸濁のため,煙がたちのぼるように見える噴出孔はblack smoker, white smokerと呼ばれる。その周囲には硫化鉱物や硬石膏・重晶石・石英などからなる煙突状の突起(chimney)や,それが崩壊・堆積して小丘(mound)を形成。小丘内部や海底面下の火山岩・堆積物を交代して鉱体を形成する。ほかにも沖縄トラフマリアナトラフ(Mariana Trough)・ラウ海盆(Lau Basin)・マヌス海盆(Manus Basin)・ウッドラーク海盆(Woodlark Basin)・北フィジー海盆(North Fiji Basin)などの背弧海盆や,東太平洋の海山などでも活発な活動が知られている。これら海底熱水鉱床は,地質時代の堆積噴気鉱床・火山性塊状硫化物鉱床が現在形成されつつある姿と考えられる。Fe・Cu・Pb・Zn・Mn・Au・Ag等の金属は,地殻浅部の割れ目などに浸透した海水が海底下の熱源によって高温となり循環する過程で岩石から溶出され,その後,海底に噴出した熱水が海水に冷却されると硫化物(ときに酸化物・硫酸塩・炭酸塩)として沈殿する。海水に拡散した成分はプルームとなって,ときに1,000km近く離れた海水や海底堆積物に影響を及ぼす。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「海底熱水鉱床」の意味・わかりやすい解説

海底熱水鉱床
かいていねっすいこうしょう
submarine hydrothermal deposit

海底からわき出る高温の熱水溶液が急冷され,微細な沈殿物が塊状に固まった鉱床。 1978~79年に,ペルー沖の東太平洋海膨の海底で,熱水の噴出口が発見された。海水中に噴出した熱水は急冷され,微細な沈殿物が急速に析出するため,煙のように見える。また,噴出口付近には沈殿物がパイプ状に積もって,煙突のように見える。このため,析出物が硫化物に富む場合の噴出口をブラックスモーカー,硫酸塩に富む場合はホワイトスモーカーと呼ぶ。同様にスモーカーは,その後,メキシコ西海岸沖,カリフォルニア湾,カナダ西海岸沖,大西洋中央海嶺,インド洋の海嶺でも発見された。これまでに発見されたスモーカーは,プレート境界のうち,新しく海洋地殻が生れる拡大軸に限られていた。これに対し,88年には,フィリピンプレートがユーラシアプレートに沈み込む地帯の背弧海盆に相当する,沖縄トラフの伊是名 (いぜな) 海穴でもスモーカーが発見された。拡大軸の鉱石は愛媛県の別子鉱床で代表されるキースラーガー型鉱床に,背弧海盆の鉱石は秋田県の小坂鉱床で代表される黒鉱型鉱床に類似している。

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百科事典マイペディア 「海底熱水鉱床」の意味・わかりやすい解説

海底熱水鉱床【かいていねっすいこうしょう】

海底火山活動にともなう熱水から重金属が沈殿してできた鉱床。1965年に紅海で発見されて以来,ガラパゴス海嶺,東太平洋海膨,大西洋中央海嶺,沖縄トラフなどで次々と発見され,現在注目されている海底金属資源の一つ。熱水から沈殿したセッコウや重晶石などが噴出口を取り巻いて煙突状の構造をつくり,その周囲にはそれらの鉱物とともに多量の重金属を含んだ硫化鉱物が沈殿している。また噴出口の周辺にはシロウリガイやチューブワームなどからなる特異な生物群集が形成されている。

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