アメリカ映画。1923年製作。日本公開時のタイトルは《十誡》。セシル・B.デミル監督の最初のスペクタクル史劇。1920年代のハリウッドで社会の批判にこたえる自主規制が叫ばれたとき,それまで《男性と女性》(1919),《何故妻を換へる?》(1920),《禁男の果実》(1921)等々,その批判の対象である性風俗の乱れを描いた作品を次々と送り出していた当人のデミルは,それらの風俗劇と縁を切り,聖書を題材とした大作をつくることで批判の矛先をかわした。旧約聖書の《出エジプト記》とメロドラマ的な現代編からなる二部構成の《十誡》は,薄物をまとった官能的な女性が登場する乱交場面などの〈罪〉を描いたシーンや,そこだけテクニカラーで撮影された戦車の突進,紅海が二つに割れるシーンなどの娯楽性によって記録的な成功をおさめた。以後,デミルの名は聖書を題材にしたスペクタクル大作と切っても切れないものとなる(聖書の数ページがあれば映画はいつでもつくれると彼は豪語した)。1956年にチャールトン・ヘストン主演でデミル自身により上映時間4時間のカラー超大作としてリメークされたが,これがデミルの最後の作品ともなった。
執筆者:宇田川 幸洋
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
神がシナイ山上でモーセを通してイスラエルの民に授けたとされる10か条の戒め。2枚の石板に刻まれていたといわれ、「モーセの十戒」ともよばれる。ユダヤ教、キリスト教の宗教・倫理の根本原理を簡潔に示したものである。『旧約聖書』の「出(しゅつ)エジプト記」20章と「申命記(しんめいき)」5章にほぼ同じ形で出ている。前文に「わたしはあなたの神、主(しゅ)であって、あなたをエジプトの地、奴隷の家から導き出した者である」とあり、この戒めが、神に選ばれ、すでに救われた共同体への指針であることが明示されている。まず「あなたはわたしのほかに、なにものをも神としてはならない」として、唯一神への信仰を求める第一戒、偶像礼拝を禁ずる第二戒、神名をみだりに唱えることを禁ずる第三戒などは、多神教的な古代諸宗教中比類のないものである。ついで、安息日の厳守、父母を敬うこと、殺人、姦淫(かんいん)、盗み、偽証、貪欲(どんよく)の禁止が、いずれも時と場合を問わず、命ぜられる断言法の形で示されている。
[清重尚弘]
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《陸游「九月四日鶏未鳴起作」から。晴れ渡った空に突然起こる雷の意》急に起きる変動・大事件。また、突然うけた衝撃。[補説]「晴天の霹靂」と書くのは誤り。[類語]突発的・発作的・反射的・突然・ひょっこり・...
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