出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
(1)易占(えきせん)に使う道具。長さ約10cm,幅約2cmくらいの正方柱体。全面黒色の2面は易の陽爻(ようこう)を示し,他の2面の中央には黒地に幅2cm弱の切りこみがあり,朱か黄色に塗られてあって陰爻をあらわしている。6本でひと組。材質はふつうの木だが,黒檀製の上等のものもある。筮竹(ぜいちく)の操作によって出た爻を,下から上へ順次置いてゆくためのもの。古代には1爻を得るごとに地面に爻を描き,6爻(ひとつの卦(か)を成す)が備わると方版に描いて依頼者に示したといい(《儀礼(ぎらい)》士冠礼の疏),朱熹の《筮儀》にも,爻を描くために筆と墨と黄色い漆の板を用意せよとあって算木(中国語の卦子)への言及がないから,算木を使うのは古礼ではなく近世にはじまったことがらであろう。
(2)中国の計算器。算木は日本に伝わってからの呼称で,中国では算,籌(ちゆう),策などと呼ぶ。10cm前後の細い角棒で,これを図のように組み合わせて任意の数字をあらわした。縦式によって一,百,万の位の数を,横式によって十,千の位の数を表示する。たとえば,3167ならと置き,ゼロは13世紀ころまで符号がなかったのでその部分は空けておいた。これを碁盤目に区切られた布地(後世は紙)の計算盤(算盤)の上にならべ,加減乗除の四則計算や開平(平方根)・開立(立方根)の計算を行った。算木はすでに春秋戦国時代から使われ,そろばんがあらわれる13世紀ころまでこの算木によって計算が行われた。
執筆者:三浦 国雄
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
朱は正の数,黒は負の数を表す長さ4~5cmほどのマッチの軸のような四角柱の棒。中国で始まり,日本に輸入された。中国では15世紀頃使われなくなった。算盤(そろばん)の原形で,加減乗除,開平,開立の計算ができる。記数法は一・百・万の位を縦式,十・千の位を横式で表すが,日本で用いられた算盤(さんばん)上では縦式のみを使う。最上欄に位取り,縦に数係数を並べて表し,数係数の一元高次方程式のホーナーの方法で解く。易占の算木は3本2組の計6本を用いる。1本の2面の中央に切り込みがあり,その2面が陰,他の2面が陽を表すため3本で8通りの卦(八卦)を示すことができる。
出典 山川出版社「山川 日本史小辞典 改訂新版」山川 日本史小辞典 改訂新版について 情報
「算籌」のページをご覧ください。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
出典 占い学校 アカデメイア・カレッジ占い用語集について 情報
…200年ころにはこのようなあいまいさをなくした記法も利用されるようになったが,それは天文学などの特別の分野のみで一般的ではなかった。 別の例として中国の算木がある。中国では前数百年ころから算木を使って数を表し計算をした。…
…次の周代の数学を知る資料は乏しいが,春秋戦国ともなると,四則計算を中心にかなり数学が発達してきたと思われる。漢字による数字表記では,現在のアラビア数字とはちがい,筆算が行えないため,計算には算木(算,籌(ちゆう),策などという)が使用された。大きさや形は一定しないが,竹や木を短く切った棒を格子状に区切った盤に並べて(布算という)数字を表し,計算を行った。…
※「算木」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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