藤川勇造(読み)フジカワユウゾウ

デジタル大辞泉 「藤川勇造」の意味・読み・例文・類語

ふじかわ‐ゆうぞう〔ふぢかはユウザウ〕【藤川勇造】

[1883~1935]彫刻家香川の生まれ。フランス留学し、ロダン晩年助手を務めた。帰国後、二科会彫刻部創設に参加

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精選版 日本国語大辞典 「藤川勇造」の意味・読み・例文・類語

ふじかわ‐ゆうぞう【藤川勇造】

彫刻家。香川県出身。東京美術学校卒業後、渡仏しロダンに師事。帰国後、二科会彫塑部創設に参加。また、番衆技塾を主宰して後進指導。帝国美術院会員代表作インドの男」「裸」「ブロンド」。明治一六~昭和一〇年(一八八三‐一九三五

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改訂新版 世界大百科事典 「藤川勇造」の意味・わかりやすい解説

藤川勇造 (ふじかわゆうぞう)
生没年:1883-1935(明治16-昭和10)

彫刻家。香川県高松市漆工業を営む家に生まれる。1898年高松工芸学校漆工科に入学,翌年木彫科に転じた。1908年東京美術学校卒業後,農商務省海外練習生としてフランスに渡り,アカデミー・ジュリアンジャン・ポール・ローランスの教室に学んだ。12年ころロダンに認められて晩年の助手をつとめ,16年病気のため帰国した。19年二科会に彫刻部を創設するに当たり会員として迎えられ,29年二科会の番衆技塾を開設し,多くのすぐれた後進を育成した。35年帝国美術院会員となり二科会を去ったが,同年に没した。ロダンの激情的な作風とは対照的に,堅実で静謐な作風を示した。滞仏中の代表作に《ブロンド》《シュザンヌ》,帰国後に《裸》などがある。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「藤川勇造」の意味・わかりやすい解説

藤川勇造
ふじかわゆうぞう
(1883―1935)

彫刻家。香川県生まれ。高松工芸学校を経て、1908年(明治41)東京美術学校彫刻科本科卒業、農商務省海外留学生として渡仏し、アカデミー・ジュリアンでジャン・ポール・ローランスにデッサンを学んだ。のちロダンに認められて晩年の助手をつとめた。病のため16年(大正5)帰国し、19年の二科会彫刻部創設に際し会員として迎えられ、29年(昭和4)番衆技塾を開設し、多くの後進を指導した。35年帝国美術院会員に任命され二科会を辞したが、まもなく没した。ロダンの作風とは対照的に堅実で静謐(せいひつ)な表現による温和な魅力ある作風を示し、代表作に『シュザンヌ』『ブロンド』『裸』などがある。妻の藤川栄子(1901―83)も画家として知られる。

[三木多聞]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「藤川勇造」の意味・わかりやすい解説

藤川勇造
ふじかわゆうぞう

[生]1883.10.31. 高松
[没]1935.6.15. 東京
彫刻家。 1908年に東京美術学校彫刻科卒業後,フランスへ留学。 09年アカデミー・ジュリアンに入学し,10年頃ロダンの助手となる。 16年帰国,19年より二科会の彫刻部で指導的役割を果す。 29年二科技塾を設立して菊池一雄,堀内正和ら後進を育成。 35年帝国美術院会員に推され二科会を去り同年急死。主要作品『シュザンヌ』 (1909,東京国立博物館) ,『ブロンド』 (13,東京国立近代美術館) ,『兎』 (16,同) ,『マドモアゼルS』 (23) 。

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百科事典マイペディア 「藤川勇造」の意味・わかりやすい解説

藤川勇造【ふじかわゆうぞう】

彫刻家。高松市の漆工の家に生まれる。1908年東京美術学校を卒業して渡仏,ロダンに師事し,助手となる。1916年帰国,二科会の彫刻部を主宰した。静的で清新な自然主義的作風で知られる。代表作《ブロンド》《ミスター・ボス》。
→関連項目堀内正和

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「藤川勇造」の解説

藤川勇造 ふじかわ-ゆうぞう

1883-1935 大正-昭和時代前期の彫刻家。
明治16年10月31日生まれ。妻は藤川栄子。農商務省留学生としてパリのアカデミー-ジュリアンでまなび,ロダンの助手をつとめる。大正8年二科会彫塑部開設で会員となり,菊池一雄らをそだてた。昭和10年6月15日死去。53歳。香川県出身。東京美術学校(現東京芸大)卒。代表作に「シュザンヌ」など。

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