アインスタイニウム(読み)あいんすたいにうむ(英語表記)einsteinium

翻訳|einsteinium

デジタル大辞泉 「アインスタイニウム」の意味・読み・例文・類語

アインスタイニウム(einsteinium)

アクチノイドに属する超ウラン元素の一。熱核爆発実験中に発見された人工放射性元素で、アインシュタインを記念して命名元素記号Es 原子番号99。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「アインスタイニウム」の意味・読み・例文・類語

アインスタイニウム

  1. 〘 名詞 〙 ( [英語] einsteinium )[ 異表記 ] アインシュタイニューム 超ウラン元素一つ。記号 Es 原子番号九九。原子量二五二。半減期一、二九年。一九五二年、アメリカで発見。理論物理学者アインシュタインを記念して命名。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

日本大百科全書(ニッポニカ) 「アインスタイニウム」の意味・わかりやすい解説

アインスタイニウム
あいんすたいにうむ
einsteinium

アクチノイドの11番目に位置する超ウラン元素の一つ。原子番号99、元素記号Es。科学者アインシュタインを記念して命名された。

 1952年太平洋でのアメリカによる水爆実験の生成物からフェルミウムとともに発見されたが、軍事機密として公表されず、1954年に至って原子炉内で人工合成された事実が報告された。ウラン、ネプツニウムプルトニウムなどの原子核中性子、α(アルファ)粒子重陽子炭素あるいは窒素などの原子核を作用させて多くの同位体がつくられているが、いずれも短寿命の放射性同位体で、質量数252のものがもっとも長い半減期472日をもつ。+Ⅲが安定であり、酸化物、ハロゲン化物、有機酸塩が得られている。

[岩本振武]



アインスタイニウム(データノート)
あいんすたいにうむでーたのーと

アインスタイニウム
 元素記号  Es
 原子番号  99
 原子量  (252)※
 融点   860℃
 沸点   -
 密度   8.84g/cm3
※括弧内の数値は原子量ではなく、同位体質量数の一例

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

改訂新版 世界大百科事典 「アインスタイニウム」の意味・わかりやすい解説

アインスタイニウム
einsteinium

超ウラン元素に属する人工元素の一つ。知られている同位体は質量数243から256までの14種で,そのうち半減期の最も長いものは254Es(276日)。1952年アメリカのギオーソAlbert Ghiorso,シーボーグGlenn Theodore Seaborgらが,太平洋で行われた熱核爆発実験で得られた破片から253Es(α崩壊,半減期20.47日)を見いだし(ウランの多段階の中性子捕獲と,いくつかのβ崩壊によって生成する),99番元素であることを確かめた。その後,53年原子炉中のプルトニウム239(239Pu)に強い中性子束をあてても得られることが見いだされ,さらにウラン238(238U)に対する窒素14(14N)の照射,バークリウム249(249Bk)へのヘリウムイオンの衝撃などでもつくられることがわかった。物理学者A.アインシュタインにちなんで命名された。天然には存在せず,同位体はすべて人工によってつくられる。
執筆者:


出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

化学辞典 第2版 「アインスタイニウム」の解説

アインスタイニウム
アインスタイニウム
einsteinium

Es.原子番号99の元素.電子配置[Rn]5f 117s2の周期表3族アクチノイド元素.7番目に発見された超ウラン元素.A. Einstein(アインシュタイン)にちなんで命名された.1952年12月,カリフォルニア大学(バークレー校)のA. Ghiorsoらによって,同年11月のエニウェトク環礁での最初の水爆実験の残分中から,半減期20.5 d の253Esが確認された.逐次中性子吸収(原子炉中)で得られる.249Puから出発してオークリッジ国立研究所の高中性子束同位体製造用原子炉(HFIR)によって,数年間かかって3 mg のEsが製造された.1961年に,0.01 mg の253Esがメンデレビウム製造の原料として用いられた.融点1133 ℃ の金属.第一イオン化エネルギー629.0 kJ mol-1(6.52 eV).酸化数2,3.水溶液中で Es3+ と考えられている.現在,知られている同位体核種は240~258の範囲に19種.質量数252の核種がもっとも長寿命で半減期471 d.[CAS 7429-92-7][別用語参照]α崩壊軌道電子捕獲

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アインスタイニウム」の意味・わかりやすい解説

アインスタイニウム
einsteinium

元素記号 Es,原子番号 99。周期表3族,アクチノイドの人工放射性元素で,超ウラン元素の1つ。質量数 252,254などの同位体が知られている。 1952年 11月,ロスアラモスの熱核爆発の際,S.G.トンプソン,B.G.ハーベイ,F.ギオルソ,G.R.ショパンにより発見され,A.アインシュタインを記念してアインスタイニウムと命名された。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

百科事典マイペディア 「アインスタイニウム」の意味・わかりやすい解説

アインスタイニウム

元素記号はEs。原子番号99。超ウラン元素に属する人工元素の一つ。1952年太平洋で行われた熱核爆発実験の生成物からシーボーグらが発見,物理学者アインシュタインにちなんで命名。天然には存在せず,同位体はすべて人工的につくられる。

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

今日のキーワード

プラチナキャリア

年齢を問わず、多様なキャリア形成で活躍する働き方。企業には専門人材の育成支援やリスキリング(学び直し)の機会提供、女性活躍推進や従業員と役員の接点拡大などが求められる。人材の確保につながり、従業員を...

プラチナキャリアの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android