アカギ(その他表記)Bischofia javanica Bl.

改訂新版 世界大百科事典 「アカギ」の意味・わかりやすい解説

アカギ (赤木)
Bischofia javanica Bl.

インド,東南アジア,中国,沖縄の熱帯から亜熱帯に分布するトウダイグサ科の半落葉高木。1属1種。直径1m,高さ30mに達する。大きな3出葉を互生し,葉柄や主脈赤みを帯びる。花期は春。雌雄異株で,葉腋ようえき)に淡黄色の小さな無弁の花が円錐花序をなしてつく。果実球形で直径1~1.5cm,渋味があるが食べられる。また若葉も食べられる。材はビショップ・ウッドBishop woodと商業上は呼ばれ,暗赤色の心材は堅くて重く,また湿気に強いので,家具や楽器などの美術材として,紫檀の代りに用いられる。ベトナムや沖縄では並木として植栽される。根や茎の樹皮,葉は薬用にされることがある。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「アカギ」の意味・わかりやすい解説

アカギ
あかぎ / 赤木
[学] Bischofia javanica Bl.

トウダイグサ科(APG分類:コミカンソウ科)の20メートルにもなる常緑高木。雌雄異株。葉は互生して3出し、小葉は長さ8~15センチメートルで卵形ないし卵状楕円(だえん)形、鈍鋸歯(どんきょし)がある。花は小さく帯緑色。果実は球形で径1~1.5センチメートル。材は赤褐色で高級家具材とする。日よけや防風用に植える。沖縄から東南アジア、インドおよびオーストラリアにかけて分布する。那覇市首里金城町の大アカギは国指定の天然記念物で、6本あり、最大のものは高さ13メートル、胸高直径1.66メートル。奄美(あまみ)諸島に生育するものは自生種ではないとする説が有力。また、小笠原(おがさわら)には明治末期に移植されてのち、野生化して旺盛(おうせい)に繁殖し、自生種を圧して害木となっている。

[島袋敬一 2020年6月23日]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アカギ」の意味・わかりやすい解説

アカギ(赤木)
アカギ
Bischofia javanica

トウダイグサ科の大型高木で,アジア熱帯原産。高さ 20~25mに達する。葉は互生し,長い柄があって3小葉をもつ複葉。各小葉は長さ8~15cmの卵状楕円形で縁に細かい鋸歯が目立つ。春,葉腋から総状または円錐状の花序を出し,多数の緑黄色の小花をつける。雌雄異株。雌株は大量の果実を生じ,果実は扁球形で径1~1.5cm,褐色に熟し,中に3~4個の種子がある。琉球列島小笠原諸島で材用に栽培され,特に小笠原では逸出したものの野生化がはなはだしい。

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デジタル大辞泉プラス 「アカギ」の解説

あかぎ

群馬県で生産されるリンゴ。大きさは約250g程度、糖度は12~13%で酸味が少なく甘い。群馬県の育成品種で、1975年に品種登録。名称は赤城山にちなむ。

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