アクアマリン(読み)あくあまりん(英語表記)aquamarine

翻訳|aquamarine

デジタル大辞泉 「アクアマリン」の意味・読み・例文・類語

アクアマリン(aquamarine)

緑柱石うち、青緑色で透明なもの。宝石にする。藍玉。また、その色。

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精選版 日本国語大辞典 「アクアマリン」の意味・読み・例文・類語

アクアマリン

  1. 〘 名詞 〙 ( [英語] aquamarine ラテン語で「水(aqua)、海の(marinus)」の意から )
  2. 宝石の一つ。緑柱石の一種で、三月の誕生石。「勇気」を意味する。
    1. [初出の実例]「彼女の宝石箱には、〈略〉無数の宝石が納められていた。ダイヤモンド、〈略〉アクワマリン、トパーズ」(出典:水と宝石(1959)〈有吉佐和子〉)
  3. 青緑色。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「アクアマリン」の意味・わかりやすい解説

アクアマリン
あくあまりん
aquamarine

緑柱石のうち、海青色で透明なものをさす宝石名。エメラルドに比べて無傷で包有物が少なく、また大形の結晶が産するため希少価値は乏しい。六角柱状の結晶として、おもに花崗(かこう)岩質ペグマタイト中に産する。おもな産地は、ブラジル、ロシアのウラル地方、ナミビアマダガスカル島などで、日本では岐阜県中津川市苗木地方、茨城県桜川(さくらがわ)市山ノ尾、滋賀県大津市田ノ上山などで少量産したにすぎない。なお、緑色ないし黄色の緑柱石を加熱処理してアクアマリンに変えることができる。名称はその特徴的な色から、海水を意味するラテン語に由来する。3月の誕生石。

松原 聰]


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改訂新版 世界大百科事典 「アクアマリン」の意味・わかりやすい解説

アクアマリン
aquamarine

ベリル緑柱石)Be3Al2(SiO36のうち,海水青色のものをいう。aquaは水,mareは海の意である。エメラルドも同じベリルの仲間で,共に貴重な宝石であるが,エメラルドはインクルージョン(内包される異物)の皆無の石はきわめてまれなのに対し,アクアマリンは透明清澄な大きな結晶で産出されるので比較的安価である。1910年には110.5kgのものが採掘された。アクアマリンは沈着勇敢,聡明を象徴し,3月の誕生石となっている。またその色から海の精の宝物とも考えられ,順調な航海を祈る船乗りマスコットの石でもある。アクアマリンの色は微量の鉄分によるが,その緑色みをとばして美しい海水青色にするため,ほとんどの場合に熱処理(450~500℃,1時間程度)が行われる。得られた青色は安定性と耐久性があり,天然石としての価値に影響はない。ブラジルが主産地で,マダガスカル,インド,ナミビア,スリランカ,ジンバブウェでも産出する。
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百科事典マイペディア 「アクアマリン」の意味・わかりやすい解説

アクアマリン

緑柱石(ベリル)のうち透明でスカイブルーの色調のものの宝石名。エメラルドより低価格。市販の多くは緑色〜黄褐色の緑柱石を熱処理したもの。ブラジル,ナミビア,インドなどから産出。ブラッドストーン(血石)とともに3月の誕生石

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アクアマリン」の意味・わかりやすい解説

アクアマリン
aquamarine

緑柱石のうち,薄い青緑色の色調で透明なものの宝石名。屈巨晶花崗岩中にエメラルドよりも大型で,より透明な六方柱状結晶として産出するのでエメラルドよりはるかに低価格。ブラジルが主産地で,ウラル,マダガスカル,スリランカ,インドなどにも産する。加熱すると光沢を増し,300~450℃で緑色が青色に変化する。夜光性がある点でエメラルドより珍重されることもある。3月の誕生石。

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世界大百科事典(旧版)内のアクアマリンの言及

【ベリル】より

…なお,鉱物としてのベリルは〈緑柱石〉の項を参照されたい。ベリルには,エメラルドアクアマリン,モルガナイト,ヘリオドール,イェロー・ベリル,ゴッシェナイトがおもな宝石としてある。緑色のエメラルドと海水青色のアクアマリンはとくに珍重される。…

※「アクアマリン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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