アトキンソン(読み)あときんそん(英語表記)Robert William Atkinson

日本大百科全書(ニッポニカ) 「アトキンソン」の意味・わかりやすい解説

アトキンソン
あときんそん
Robert William Atkinson
(1850―1929)

イギリスの化学者。明治期のお雇い外国人教師の一人。ニューカッスルに生まれ、ロンドンのロイヤル・カレッジ・オブ・ケミストリーおよびロイヤル・スクール・オブ・マインスに学んだ。A・ウィリアムソン高弟であったといわれる。

 1874年(明治7)東京開成学校の開設と同時に招かれて来日、同校が1877年に東京大学となったのちも引き続き理学部教授となり、1881年帰国までその職にあった。分析化学、応用化学を講じ、久原躬弦(くはらみつる)、松井直吉(まついなおきち)、桜井錠二(さくらいじょうじ)らを教え、日本の化学の育成に努めた。彼自身も研究に従事し、清酒の醸造過程を学術的に研究し、1881年『日本醸酒編』(『理科会粋』第5帙(ちつ))を著した。1903年(明治36)東京化学会(後の日本化学会)は創立25周年を記念して、ダイバーズらとともに彼を名誉会員に推薦した。帰国後は鉄鋼業者、炭鉱業者の顧問技師として活動し、ウェールズカージフに事務所を営んだといわれる。

[道家達將 2018年8月21日]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アトキンソン」の意味・わかりやすい解説

アトキンソン
Atkinson,(Justin)Brooks

[生]1894.11.28. マサチューセッツ,メルローズ
[没]1984.1.13. アラバマ,ハンツビル
アメリカの劇評家。 1926年から 60年にかけて『ニューヨーク・タイムズ』の劇評を担当。引退の際,ニューヨークのマンスフィールド劇場が,彼の名を記念してブルックス・アトキンソン劇場と改称。 47年,ソ連リポートピュリッツァー賞を受賞した。主著,『ブロードウェー・スクラップブック』 Broadway Scrapbook (1948) ,『陽気な日々:1920-1973』 The Lively Years:1920-1973 (73) 。

アトキンソン
Atkinson, Sir Harry Albert

[生]1831.11.1. チェシャー,ブロクストン
[没]1892.6.28. ウェリントン
ニュージーランド政治家。 1880年代の政界保守派の代表的人物の一人。 1853年イギリスからニュージーランドに移り,60~63年のマオリ族との戦い頭角を現し,64~65年植民地内閣の国防相に就任。次いで,蔵相 (1879~82,82~83) ,首相に就任 (83~84,87~90) 。 80年代の不況と戦い,植民地経済の自立をはかった。

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