アレイクサンドレ(読み)あれいくさんどれ(英語表記)Vicente Aleixandre

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アレイクサンドレ」の意味・わかりやすい解説

アレイクサンドレ
Aleixandre, Vicente

[生]1898.4.26. セビリア
[没]1984.12.14. マドリード
スペインの詩人。「1927年の世代」に属す。 1977年度ノーベル文学賞受賞者。病弱の詩人で,内乱後も自国にとどまり,国内追放の身となった。愛と死,人間と大地などといったテーマの底に静かな哀調を漂わせる作品『破壊,もしくは愛』 La destrucción o el amor (1935) ,『心の歴史』 Historia del corazón (54) や,晩年の死,知,宗教的体験をテーマにした哲学的な作品『成就の詩』 Poemas de la consumación (68) ,『認識の対話』 Diálogos del conocimiento (74) などがある。ロマンティシズムの奔放な文体シュルレアリスムを結合させ,詩をイマージュ象徴によって顕現する絶対的現実への過程と考える。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「アレイクサンドレ」の意味・わかりやすい解説

アレイクサンドレ
あれいくさんどれ
Vicente Aleixandre
(1898―1984)

スペインの詩人。セビーリャに生まれ、マラガに住む。のちにマドリードに出て法律、商業を学ぶ。病弱のため静居し詩作専念ロマンチシズムとシュルレアリスムが彼の大多数の作品の根幹にある。膨大な作品のなかで、愛を通じ人と自然との汎神(はんしん)論的な融合を歌った『破壊すなわち愛』(1935)、スペイン戦後詩の記念碑的作品『楽園の影』(1944)、人との連帯意識を強めた『心の歴史』(1954)、『広大な領域にて』(1962)、自己の存在の現在の意味を見つめた『完結の詩(うた)』(1966)などが代表作としてあげられる。詩語の圧倒的な美しさ、奔放で壮大なイメージ、深い人間性は彼を名実ともにスペインを代表する詩人にしている。1977年ノーベル文学賞受賞。アカデミー会員(1949)。

[有本紀明]

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