イフガオ族(読み)イフガオぞく(英語表記)Ifugao

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「イフガオ族」の意味・わかりやすい解説

イフガオ族
イフガオぞく
Ifugao

フィリピン北部,ルソン島北部のコルディエラセントラル山脈に居住するマレー系の一民族。フィリピン政府の国家統合委員会によって少数民族の一つに指定された。人口約 19万と推定される。棚田を用いる稲作農耕民で (→階段耕作 ) ,陸稲サツマイモトウモロコシサトウキビ,豆類も栽培する。土地の私有権および相続権が確立されており,慣習法儀式などによって近隣家族が密接に結びつけられている。双系的な親族組織をもち,第3いとこまでが親類とみなされる。イフガオ州の住民としてフィリピン共和国の法律の適用を受けているが,伝統的な慣習法も保っている。伝統的な家屋は通常正方形高床式で,屋敷内には高床式の米倉をもつ。7月になると共同で刈り入れが行なわれ,室内ないしは米倉の床下で何時間にもわたって儀式がもたれ,米の神 (しばしばそれを象徴する男女の木像が使われる) にニワトリブタの心臓から吹き出る血や,米からつくった酒が捧げられる。

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