エメリー(読み)えめりー(英語表記)emery

翻訳|emery

日本大百科全書(ニッポニカ) 「エメリー」の意味・わかりやすい解説

エメリー
えめりー
emery

おもに粘土岩の熱変成作用によって生成されたアルミニウム主成分とする比較的細粒均質で硬い岩石、あるいはこれから得られた研磨剤の名称。主成分としてコランダム(鋼玉)、スピネル(尖(せん)晶石)族鉱物、ざくろ石など硬度の高い鉱物を含み、磁鉄鉱赤鉄鉱など鉄の酸化鉱物を含むこともある。多量に産すれば粉砕して研磨剤に用いられる。日本では大分県宇目(うめ)町(現、佐伯(さいき)市宇目)木浦(きうら)鉱山で少量産する。外見上の特徴として、暗灰色の外観、比較的大きい比重、きわめて高い硬度、粗粒部の欠如などがあげられる。

加藤 昭 2019年1月21日]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「エメリー」の意味・わかりやすい解説

エメリー
Emery, Walter Bryan

[生]1903.7.2. リバプール
[没]1971.3.11. カイロ
イギリスのエジプト考古学者。 1923年以降死にいたるまで発掘を行なった。テル・エル・アマルナ,ルクソール,アルマント,ヌビアの各地で発掘したのち,36年サッカラに移り,初期王朝の古拙時代 (第1~2王朝) の墓地の調査に専念し,同時代に属する王たちの墓を数多く発見した。また晩年にはヌビアのブーヘンの城塞の調査にも業績を残した。 51年からはロンドン大学教授。

エメリー
emery

コランダムスピネル,または両者を主成分とし,磁鉄鉱,斜長石,石英などを含む鉱石。さん鉄ともいう。黒色細粒状で硬度は約8,比重 3.7~4.3。日本では大分県新木浦鉱山に産する。研磨材として用いられるほか,舗装道路の滑り止めなどにも利用される。

エメリー
Emery, John

[生]1777
[没]1822
イギリスの俳優。主としてコベントガーデン劇場の舞台に立った。息子サム (1817~81) も俳優として,またサムの娘ウィニフレッド (62~1924) も女優として有名。ウィニフレッドの甥で,アメリカの俳優 J.エメリー (05~64) はシェークスピア,サルトル,モームなどの作品に出演した。

エメリー
Emery, Jacques André

[生]1732.8.26.
[没]1811.4.28. パリ
フランスのサン・シュルピス修道会長。その堅固な志操によって,同会聖職者の精神的支柱としての役割をフランス革命期の恐怖時代,その後の帝政期を通じて果した。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報