カビルド(英語表記)cabildo

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「カビルド」の意味・わかりやすい解説

カビルド
cabildo

アメリカ大陸のスペイン植民地における市参事会 (市町村議会) 。この市参事会は2~3人から 12~13人の委員を中心に構成され,市参事官や保安官が参列することもあった。委員は最初町の創設者によって任命される場合が多かったが,1523年の国王カルロス1世 (神聖ローマ皇帝カルル5世 ) の勅令で土地所有者のなかから選出されることが規定された。しかし選挙による民主的形態も半世紀ののち植民地行政の強化の必要性と財政難,または自治体の腐敗によってくずれ,委員を含む多くの役職が任命または競売によって決るようになり,ときにはみずから決議で世襲されることになった。これらの地位クリオーリョ中の有力者が占め,特定の門閥が植民地社会の上層を形成することになった。カビルドとその任命する役人権限は,73年の法令により細かく規定された。カビルドはその州の長官議長となることもあり,決議にはその承認が必要であった。またときおり町の有力者を参加させて公開会議をもった。この場合拘束力はもたなかったが,この形態は独立の際によみがえり,多くのフンタ母体となった。

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