クズウコン科カラテア属の多年草で,熱帯アメリカ,西インド諸島,熱帯アフリカに約150種がある。マランタ属と外形では混同されやすいが,カラテア属の花は仮雄蕊(かゆうずい)が1本で,子房は3室の花を有しているのに対し,マランタ属では仮雄蕊2本,子房1室であり,区別される。ゴシキヤバネバショウ(カラテア・マコヤナ)C.makoyana E.Morr.は広楕円形葉で,黄緑色地に濃緑色の長楕円状斑が入り,裏面も淡赤紫色で美しく,観葉鉢物として普及している。カラテア・ランキフォリアC.lancifolia Boomは細長い波状縁の葉を直立する。濃緑色の斑点が矢羽根状に入り,裏面は暗赤紫色となる。昭和初年に渡来した強健種。カラテア・レオパルディナC.leopardinaRegelは鮮黄緑色地に濃緑色の矢羽根状斑が入る長楕円形葉の小型種で,黄色の花をつける。ほかにも葉に線形や長楕円形の斑が入るきれいなものがあり,観葉植物として栽培される。また,カラテア・アロウイアC.allouia(Aubl.)Lindl.は地下に塊根を生じ,食用とされるし,カラテア・ルテアC.lutea(Aubl.)Meyerの葉からは蠟が採取される。どちらも西インド産。いずれも日陰に耐えるので,夏の室内園芸に向く。株分けでふやす。冬は10℃以上に保温し,空中湿度を高めるとよい。
執筆者:高林 成年
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クズウコン科(APG分類:クズウコン科)の観葉植物。和名ヒメバショウ。マランタ属と同じく葉の美しい色彩と模様を観賞する。この両属はよく混同されるが、花の構造が異なることで区別される。熱帯アメリカを中心にアフリカに100種以上分布する。代表的品種に次のようなものがある。ランシフォリアはこれまでインシグニスとよばれたもので、葉は細長く直立し、濃緑の矢羽根模様が入り、裏面は暗赤紫色。レオパルディーナは淡緑色、長楕円(ちょうだえん)形の葉に濃緑の矢羽根模様が入り、さらに光沢があり、ビューグの名でもよばれる。マコヤナの葉は広楕円形で、表面は淡黄緑色で、ここに濃緑の斑紋(はんもん)が矢羽根状に入り、裏面は紫紅色で表面と同じ模様。ロゼオリネアータは細長い葉に赤みのある線状模様が入る。サンデリアーナは丸みのある葉に同じような模様が入り、いずれも葉裏は暗赤紫色である。このほかゼブリナは大形で長楕円形の葉の表面がビロード状で、暗緑色の矢羽根模様が入る。これと近似の属にクテナンテ、ストロマンテなどがある。栽培は、温室か室内の明るい日陰に置き、冬は12~15℃以上を保ち、すこし湿りぎみに管理する。繁殖は6~7月、株分けによる。
[坂梨一郎 2019年6月18日]
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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