カリ岩塩(読み)かりがんえん(英語表記)sylvite

翻訳|sylvite

日本大百科全書(ニッポニカ) 「カリ岩塩」の意味・わかりやすい解説

カリ岩塩
かりがんえん
sylvite

岩塩鉱床の副成分として産する鉱物。ほかに火山昇華物として産するほか、熱水鉱脈鉱床の脈石を構成する石英中の固体包有物としても産する。岩塩以外に石膏(せっこう)や硫酸マグネシウムの鉱物と共存する。一見、岩塩とは区別しがたいが、ハンマーでたたくと、岩塩はすぐ粉末化するのに対して、カリ岩塩表面が変形したようになって打撃を吸収し、粉末になりにくい。ドイツシュタッスフルト産地として有名。

加藤 昭]


カリ岩塩(データノート)
かりがんえんでーたのーと

カリ岩塩
 英名    sylvite
 化学式   KCl
 少量成分  Br
 結晶系   等軸
 硬度    2
 比重    1.99
 色     無,白,淡褐,淡青,淡紫
 光沢    ガラス
 条痕    無
 劈開    三方向に完全
       (「劈開」の項目参照
 その他   水に可溶

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「カリ岩塩」の意味・わかりやすい解説

カリ岩塩
カリがんえん
sylvite

KCl。天然に産する塩化カリの結晶鉱物。等軸晶系。比重 1.99,硬度2。岩塩と同形。産状も岩塩と同様であるが,量的には少い。カリ原料となる。ドイツのハルツ地方が産地として著名。

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