カレイ・ヒラメ(読み)かれいひらめ

食の医学館 「カレイ・ヒラメ」の解説

かれいひらめ【カレイ・ヒラメ】

《栄養と働き》


 “左ひらめ、右かれい”といわれるように(例外もありますが)、目の位置で見分けられる魚です。一般的には、ヒラメは高級魚、カレイは大衆魚に分別されますが、基本的には同じ仲間で、栄養的にもほぼ同じといえます。
〈美味の縁側には美肌成分のコラーゲンがたっぷり〉
○栄養成分としての働き
 カレイ・ヒラメは、消化のよい良質のたんぱく質を豊富に含み、脂肪の量は100g中1.8gと少なく、胃弱の人や体力の低下している人などにピッタリの魚です。また、高たんぱく低カロリーの、ダイエットに向くヘルシー食材ともいえます。
 縁側(えんがわ)とよばれるひれの部分には、細胞と細胞をつなぎあわせるコラーゲンが多く含まれています。コラーゲンは肌に潤いを与え、肌の若さを保ち、保湿効果をもたらす成分です。
 ビタミン類では、脳神経の興奮を鎮め、イライラやストレスをやわらげるB1や、動脈硬化の原因となる過酸化脂質を分解したり、老化を防ぎ細胞の再生をうながすB2をはじめ、カルシウムの吸収を助け、骨や歯をまもるDなどが含まれています。
 ほかには、免疫力を高め、味覚や嗅覚を正常に保つ亜鉛(あえん)、神経細胞の働きを支えるマグネシウム、抗酸化作用でがんを抑え、老化を防止するセレン、血圧やコレステロール値を下げ、心臓機能を強化するタウリンも含まれています。
〈真子は粘膜をまもるビタミンBの供給源〉
 なお、真子(まこ)卵巣(らんそう))は皮膚や粘膜(ねんまく)を健康に保ち、視力を正常に保つレチノール(ビタミンA)の供給源として期待できます。
○漢方的な働き
 中国では「カレイ・ヒラメは胃腸を丈夫にし、気力を充実させる魚」として広く知られています。とくに長わずらいで体力が弱っている人や、やせて疲れやすい人に効果があるとされています。

《調理のポイント》


 カレイの旬(しゅん)は、西日本では6月~9月、東日本では冬。ヒラメは10月~2月。寒い時期、脂(あぶら)がのっているほどうまみを増します。
 どちらも鮮やかな赤褐色で、表側は色つやがよく、裏側の肌の色が白く、にごりやうっ血のないものが、鮮度のよいものといえます。また、えらの色が新鮮なことと、斑紋が鮮やかで身の厚いことも鮮度に関係しますから、よくチェックしてください。パック詰めになっている場合は、白い身がよく見えないので、色つやがよく、ぬめりがあるものを選ぶよう心がけてください。
 カレイ・ヒラメの代表的な食べ方は、生で食べる刺身、あらい、昆布じめなどですが、煮付けや塩焼き、揚げもの、ムニエル、フライなどにしてもおいしく食べられます。
○注意すべきこと
 なお漢方では、真子は一度にたくさん食べると、せきや湿疹(しっしん)がでやすくなるといわれています。したがって、たくさん食べないように注意しましょう。

出典 小学館食の医学館について 情報

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