日本大百科全書(ニッポニカ) 「ガルバ」の意味・わかりやすい解説
ガルバ
がるば
Servius Sulpicius Galba
(前3ころ―後69)
ローマ皇帝(在位68~69)。ネロ没落後に乱立した4人の皇帝の1人。ヒスパニア・タラコネンシス州総督であった紀元後68年春、ガリア・ルグドゥネンシス州総督ウィンデックスの反ネロ蜂起(ほうき)に呼応して挙兵、元老院により同年6月8日皇帝と宣せられ(翌9日にネロ自害)、ルシタニア州総督オットー(オト)とともにローマ市に入城した(10月)が、賞与不払いのため近衛(このえ)軍の反感を招き、またすでにウィンデックス制圧に成功していたゲルマニアの諸軍団は指揮官ウィテリウスを擁して離反の動きをみせた。69年1月15日、オットーと結んだ近衛軍により殺害された。「即位さえしなかったならだれもが彼を皇帝に適任と考えたであろう」(タキトゥス『同時代史』)と評される。
[栗田伸子]