ゴドフロア・ド・ブイヨン(読み)ごどふろあどぶいよん(英語表記)Godefror de Bouillon

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 の解説

ゴドフロア・ド・ブイヨン
Godefroi de Bouillon

[生]1060頃
[没]1100.7.18. エルサレム
フランスの下ロレーヌ公(在位 1089~1100)。1096年第1次十字軍の兵を率いて聖地エルサレムに赴き,エルサレム奪取(1099.7.)のあと,エルサレム王国国王に選ばれ,聖墳墓の守護者となった。数々の伝説武勲詩,またトルクアート・タッソの『エルサレム解放』の英雄として人気があり,現存するブイヨン城砦居城として有名。

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日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

ゴドフロア・ド・ブイヨン
ごどふろあどぶいよん
Godefror de Bouillon
(1061―1100)

神聖ローマ皇帝ハインリヒ4世の家臣。ブローニュ伯の次男母方の下ロレーヌ侯領を継承し、ブイヨン城に住んだ。クリュニー修道院改革運動の影響を受け、教皇勧説に従って第1回十字軍への参加を決意し、弟ボードアンとともに騎士1000人余、歩卒7000人余を率いて出陣した(1096)。コンスタンティノープルにおいてビザンティン皇帝アレクシオス1世に臣従を求められ、やむなく受諾し、エルサレム占領時(1099.7)には一番乗りの功により、初代エルサレム王に推戴(すいたい)されたが辞退し、「聖墳墓守護職」という謙遜(けんそん)な称号を帯びた。その翌月アスカロンでエジプト軍を破り、十字軍国家の基礎を固めた。敬虔(けいけん)かつ剛勇をもって聞こえる北欧型騎士の典型とされる。

[橋口倫介]

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